【激安スマホプラン】“安さ”にはワケがある! 契約前に知っておきたい注意点4

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お金の「そうなんだ!」「本当?」といったいろんなヒントをファイナンシャル・プランナーの筆者が紹介します。今回は「スマホ代の節約」です。毎月7000円くらいかかるスマホ代。2000円台に下げられるとしたらどうでしょう?ただし安い理由もあります。機種変更の注意点もアドバイスします。

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■スマホ代、なんとか下がらないものか

最近ではほとんどの人がスマートフォンを手にしています。電車の移動中にFacebookやTwitter、LINEを書き込んでいる人もあれば、ゲームで時間つぶししている人もいます(今まさにスマホでこの記事を読んでいる人もいるでしょう!)。

しかし、これらの楽しみは「スマホの利用料金」あってのものです。かつてはネットにつないでいないゲーム機で遊んでいたものですが、今のスマホの悩みは「通信」がないと楽しめないということです。ゲームもSNSもネットとつながることが前提となっています。当然ながら通信にはお金がかかります。

標準的なプランだとスマホは月額7000円くらいかかることが多く(iPhoneの各社の標準的なプラン)、財布にとっては厳しい負担です。昔はネットもできない携帯電話に月1万円以上払っていたので、それに比べれば安いのですが、やはり下がるのなら下げたいものです。

今回は、もっと安いスマホはないものか、考えてみましょう。

■激安スマホプランが続々登場 2000円代も!

最近では通信回線網を借り受けて割安なプランを提供する通信事業者が増えています(MVNOという仕組み)。あまりなじみがない通信業者であっても、実はdocomoの回線だったりします。

こうしたMVNOの業者はSIMカード(携帯電話やスマホの中に入っている小さな通信カード)だけを提供するので、自由に端末を選べるのがおもしろいのですが、端末選びが大変だというのも悩みでした。

そこで最近増えているのが「MVNOのSIMカード+スマホ端末」のセットで提供される格安スマホプランです。

イオンやビックカメラが先行していますが、ヨドバシカメラも参入を表明するなど、話題になっています。しかも、イオンの「イオンスマホ」(7/4発売)では、月額2138円(税込み。通話料は別)に基本通信料と端末費が入っているのですから驚きです。税金がかかる前だと、なんと1980円と2000円を切っています。

ビックカメラだと「格安スマートフォン第3弾」として、月額2272円(税込み)で通信のみの契約プランがあり、高速回線(LTE)が利用できます(毎月1Gまで)。

ここにヨドバシカメラも参入、月額2051円(音声通話あり。通話料は別。高速回線1Gまで)で利用できるプランを出してきました(7/10より発売)。ただし端末は14,430円、20,760円24,160円の端末から選んで購入します(こちらは10%ポイントがつく)。

3000円を切ってくれば、これは従来の半額以下と言うこと! ただし、利用に当たっては注意も必要です。

■激安プランの4つの注意点

スマホの格安プランには注意点がいくつかあります。大きく4つにまとめて紹介します。

●注意1)Androidが原則
これらの格安プランのすべてはiPhoneではありません。Androidスマホになります。
iPhoneで格安にしたい場合、SIMフリーのiPhoneを買ってSIMカードだけを購入します。カードだけだと月額1000円プランもあるのですがSIMフリーiPhoneが月額3000円相当(2年使うとして)だったりするので、なかなか割安にならなかったりします。


●注意2)通信量や通信速度に制限
契約条件をしっかり見て欲しいのですが、3G回線のみのプラン(イオンは通信速度が最大14M)だったりしますし、ビックカメラ等も高速回線(LTE)が利用できても月額1Gまでのように利用制限を掛けていることがほとんどです。高速データ通信の料金オプションを外すと安いのですがスピードは0.2Mということもあります。

SNSをばりばり使うとか、YouTubeをしょっちゅう見るという人は通信量がたくさんかかります。自分の利用シーンと利用通信量に見合ったプランにしておかなければ、割安がむしろストレスになる恐れもありますので、注意が必要です。

●注意3)やや古い端末になることもある
ここでいう古い、というのは型落ちという意味合いと、新商品ではあるが高スペックは搭載していない、という意味がありますが、いずれにせよ、ソニーのXperiaのような最新機種は格安スマホのセット販売には入っていません。

つまり、スマホのサイズが少々大きめだったり、画面解像度が少し粗かったり、操作感がややもっさりとしてしまう可能性はありますが、だからこそ激安プランになっているわけです。最先端のさくさく感や高機能の動画撮影機能などを期待している場合、それはあきらめてプラン選びをすることをオススメします。

また、今のところ、お財布ケータイの非対応がほとんどで、モバイルSuicaやEdyも使えません(執筆時点の調査の限り)。ここは、今後の対応機器登場に期待したいところです。


●注意4)MNPしない場合もある
携帯電話の番号を引き継げるかどうか、つまりMNPに対応しているかどうかも気になるところですが、プランによります。

イオン、ビックカメラは対応していますが、ヨドバシカメラは後日対応ということで当初は対応しないようです。また、チェーン店がたくさんある場合、店舗によってはその場で対応できないこともあるので、確認が必要です。

■乗り換えするとき、結構手間がかかるので注意

格安スマホですが、解約要件も比較的ゆるく、いわゆる「2年縛り」をかけていないプランもあります。各社が競争をしており、スマホ料金プランを引き下げるパートナー選びは今、おもしろいテーマです。

また、スマホ端末を別途確保できるアテがあれば、SIMカードだけをMVNOで契約すると割安なこともあります。1000円ちょっとで十分使えます(データ通信のみで月1Gまでの通信量など制限はある)。

この場合、スマホとカードの契約をまとめてできる便利さは劣りますが、お好みの端末でさらに割安契約になるかもしれません。

ただし、最後にもうひとつ注意を。

SNSとかクラウドサービスの登録にスマホのメルアドを入れている場合、他のメールアドレスに変更してから格安スマホに移行しましょう。

機種変更後に気づいて、あわててパスワード変更を試みてもうまくいかずデータをロストしてしまうことがあります(パスワード再設定を、旧機種のメルアドに送ってしまうため)。お財布ケータイなどは後から変更できますが、事務手数料が生じることもあります。解約前にしっかり準備して、格安スマホに移行してください。


なかなかコストカットが難しい通信費ですが、格安スマホは引き下げのチャンスです。上手に見直しをして、賢く節約できるといいですね。