Google マップでの自転車ナビは歩行者ナビを使え!自転車ナビの利用の注意と活用テクニック
ようやく気持ちのよい季節となり、気温もあがり外出もたのしくなってきた。自転車が趣味の筆者も、土日ともなれば、決まってどこかへ向かってサイクリングに出かけている。通常は、よく知っている道を走っているのだが、いつも同じ場所に行っているとマンネリ化してくる。そうなると新しい場所に足を運びたくなってくるものだ。その際によく利用するのが「Google マップ」である。
Google マップで現在位置と目的の場所を確認してから向かうという方法は普段も行っている。
だが、今回は、新しい使い方を模索してみようと思い立った。
それは、Google マップで自転車ナビだ。
海外では欧州など一部地域で自転車ナビを提供しているそうだが、日本は、そもそもGoogle マップに搭載されている自転車ナビ機能には対応していない。理由としては、海外とくらべて自転車専用道路や専用レーンなどの公共整備や各都道府県での統一が遅れているためと思われる。しかしながら、擬似的にナビゲーションを利用することは可能であろう。
というわけで先日、思い切って今まで行ったことが無い場所へ50kmほどサイクリングする際にGoogle マップでナビゲーションを行ってみることにした。
筆者の自転車は、「GIANT ESCAPE RX3(2013)」で、ホイールをアルテグラグレードにし、ギア(スプロケット)もワイドからクロスタイプに変更している。平地での走行に特化したサイクリング用クロスバイクだ。ちなみに、ブレーキも地味に「Deore XT」用にアップグレードしてある。
通常は100km程度の距離を走っているだが、今回は初心者の「COLNAGO STRAADA SL(2014)」というロードバイクも一緒だったため、距離を約50kmと少し短く設定した。
左からCOLNAGO STRADA SL、GIANT ESCAPE RX3
●絶対にしてはいけない注意事項
なお、当然ながらスマートフォンを手に持っての走行や、画面を見ながら走行などというのは自分と他人の命にかかわる「危険」極まりない行為なので絶対にしないようにしよう。今回は、スマートフォンは専用の自転車用ホルダーに装着し、ナビ音声もイヤホンではなく、スピーカーで鳴らすようにしている。走行中のイヤホン利用は、まわりの音が聞こえにくくなり、事故を誘発する「危険」な行為なので絶対にしないようにしよう。
●日本では、自転車走行で「自動車ナビ」を利用しては駄目?
まず注意したいのが、自転車でGoogle マップのナビ機能を利用する際は必ず「歩行者用」にすることだ。
Google マップは自動車用があるのに、なぜ? と思うだろう
理由は、自動車用ナビでは、そのまま自動車専用道路に誘導されてしまう場合があるからだ。事実、それが原因で高速道路に侵入して、事故やトラブルになるケースが発生している。最悪の場合死亡事故につながってしまったというケースもある。
自動車専用道路の整備が完全でない日本では、自転車でナビ機能を利用する場合は、必ず「歩行者ナビ」を利用するべきだ。
歩行者ナビの速度は時速約5kmを基準としている
★自転車で「歩行者ナビ」を利用する際のワンポイント
ちなみに歩行者ナビは場所にもよるが、時速5km前後を基準としている。自転車の走行速度は時速約10km〜20km程度。つまり到着予定時間を半分から4分の1程度にすることで、おおよその時間計算ができるので、覚えておこう。
●「シェイクでフィードバックを送信」をオフに
振動によりフィードバック送信画面が表示されるのは自転車利用では邪魔でしかない
自転車でナビをさせていると、よく表示されるのが「シェイクでフィードバックを送信」の画面だ。これは、道路の名前が違う、店が無くなっているなどの地図上での指摘や、アプリのバグがあった際に端末を振ることでコメントやスクリーンショットをGoogleへ送信することができる大変便利な機能なのだが、自転車用スマートフォンホルダーに装着している場合では、路面走行中の振動によりフィードバック送信画面が出てきてしまうのだ。
その画面が頻繁に出てきてしまっては、ナビゲーションに支障が出てきてしまうため「シェイクでフィードバックを送信」設定をオフにしておこう。
●結論としてナビは参考程度にするべき
今回のGoogle マップでの自転車ナビ利用だが、自転車でおおよそ2時間ほど走り、無事に目的地へ到着することができた。
しかしながら、実は途中でナビを停止させていたのだ。その理由が以下である。
・走行中に地図をつい見てしまうので危ない
地図画面が視界に入るとつい目線が地図を追ってしまうのだ。当然のことであるが、走行中に地図を観ると前方への注意力が低下してしまい、そのまま事故へ直結してしまう危険が高い。頼りになるのは音声指示である。
・完全な屋外では音声指示がよく聞こえない
今回は、音声ナビをメインに利用と考えていたのだが、実際に利用してみると問題もあった。自動車など、ある程度密閉されている空間とは違い、自転車での屋外利用は、反響物がないため、横を走る自動車の走行音などで音声指示があまりよく聞こえなかったのだ。そのため、曲がるべき交差点を直進してしまうといったケースがたびたびあった。
・バッテリーの減りが早い
ナビゲーションは、ディスプレイの点灯と通信を常時行う。このためバッテリーの減りは普段の生活中の利用より早くなってしまうのだ。事実、1時間半ほどナビを利用したところ、iPhone 5のバッテリーは100%から45%までに減少してしまった。
もしナビをするのであれば、モバイルバッテリーの併用を推奨したい。
・屋外ではディスプレイが見にくい
走行を止めて画面で確認する際も直射日光の晴天下の場合、ディスプレイの明るさが外光に負けてしまい、画面が見えにくくなってしまう。つまり、地図を確認するには手などで日陰を作るなどの手間が必要だった。
以上、今回の実際に、スマートフォンでの自転車ナビの試した結果は、自転車にはスマートフォンのナビゲーションは向いていない、という結論に至ったわけである。
そもそもであるが、走行中に地図確認などは危険なので、そうした利用は言語道断である。やはり、一旦立ち止まってからの現在位置と目的地の確認、走行中はポーチなどに収納が一番よい使い方だ。
また、今回はあえてGoogle マップのナビ機能を試してみたが、ナビタイム社の自転車専用ナビアプリ「自転車NAVITIME」が自転車用として提供されている。もし、どうしても自転車でナビを利用したいと言う人は、そちらを利用する方法もあるかもしれない。
このような景色に出会うのがサイクリングの醍醐味
自転車でサイクリングやポタリング(自転車での散策さんぽのこと)は健康にも良いだけでなく、開放感から精神衛生てきにも良い。走行中ではなく、停車して現在値や目的地の確認などスマートフォンを正しくつかえば、これほどサイクリングやポタリングに便利なツールはほかにない。是非、近所からでもサイクリングやポタリングをはじめてはいかがだろうか。
布施 繁樹
Google マップで現在位置と目的の場所を確認してから向かうという方法は普段も行っている。
だが、今回は、新しい使い方を模索してみようと思い立った。
それは、Google マップで自転車ナビだ。
海外では欧州など一部地域で自転車ナビを提供しているそうだが、日本は、そもそもGoogle マップに搭載されている自転車ナビ機能には対応していない。理由としては、海外とくらべて自転車専用道路や専用レーンなどの公共整備や各都道府県での統一が遅れているためと思われる。しかしながら、擬似的にナビゲーションを利用することは可能であろう。
というわけで先日、思い切って今まで行ったことが無い場所へ50kmほどサイクリングする際にGoogle マップでナビゲーションを行ってみることにした。
筆者の自転車は、「GIANT ESCAPE RX3(2013)」で、ホイールをアルテグラグレードにし、ギア(スプロケット)もワイドからクロスタイプに変更している。平地での走行に特化したサイクリング用クロスバイクだ。ちなみに、ブレーキも地味に「Deore XT」用にアップグレードしてある。
通常は100km程度の距離を走っているだが、今回は初心者の「COLNAGO STRAADA SL(2014)」というロードバイクも一緒だったため、距離を約50kmと少し短く設定した。
左からCOLNAGO STRADA SL、GIANT ESCAPE RX3
●絶対にしてはいけない注意事項
なお、当然ながらスマートフォンを手に持っての走行や、画面を見ながら走行などというのは自分と他人の命にかかわる「危険」極まりない行為なので絶対にしないようにしよう。今回は、スマートフォンは専用の自転車用ホルダーに装着し、ナビ音声もイヤホンではなく、スピーカーで鳴らすようにしている。走行中のイヤホン利用は、まわりの音が聞こえにくくなり、事故を誘発する「危険」な行為なので絶対にしないようにしよう。
●日本では、自転車走行で「自動車ナビ」を利用しては駄目?
まず注意したいのが、自転車でGoogle マップのナビ機能を利用する際は必ず「歩行者用」にすることだ。
Google マップは自動車用があるのに、なぜ? と思うだろう
理由は、自動車用ナビでは、そのまま自動車専用道路に誘導されてしまう場合があるからだ。事実、それが原因で高速道路に侵入して、事故やトラブルになるケースが発生している。最悪の場合死亡事故につながってしまったというケースもある。
自動車専用道路の整備が完全でない日本では、自転車でナビ機能を利用する場合は、必ず「歩行者ナビ」を利用するべきだ。
歩行者ナビの速度は時速約5kmを基準としている
★自転車で「歩行者ナビ」を利用する際のワンポイント
ちなみに歩行者ナビは場所にもよるが、時速5km前後を基準としている。自転車の走行速度は時速約10km〜20km程度。つまり到着予定時間を半分から4分の1程度にすることで、おおよその時間計算ができるので、覚えておこう。
●「シェイクでフィードバックを送信」をオフに
振動によりフィードバック送信画面が表示されるのは自転車利用では邪魔でしかない
自転車でナビをさせていると、よく表示されるのが「シェイクでフィードバックを送信」の画面だ。これは、道路の名前が違う、店が無くなっているなどの地図上での指摘や、アプリのバグがあった際に端末を振ることでコメントやスクリーンショットをGoogleへ送信することができる大変便利な機能なのだが、自転車用スマートフォンホルダーに装着している場合では、路面走行中の振動によりフィードバック送信画面が出てきてしまうのだ。
その画面が頻繁に出てきてしまっては、ナビゲーションに支障が出てきてしまうため「シェイクでフィードバックを送信」設定をオフにしておこう。
●結論としてナビは参考程度にするべき
今回のGoogle マップでの自転車ナビ利用だが、自転車でおおよそ2時間ほど走り、無事に目的地へ到着することができた。
しかしながら、実は途中でナビを停止させていたのだ。その理由が以下である。
・走行中に地図をつい見てしまうので危ない
地図画面が視界に入るとつい目線が地図を追ってしまうのだ。当然のことであるが、走行中に地図を観ると前方への注意力が低下してしまい、そのまま事故へ直結してしまう危険が高い。頼りになるのは音声指示である。
・完全な屋外では音声指示がよく聞こえない
今回は、音声ナビをメインに利用と考えていたのだが、実際に利用してみると問題もあった。自動車など、ある程度密閉されている空間とは違い、自転車での屋外利用は、反響物がないため、横を走る自動車の走行音などで音声指示があまりよく聞こえなかったのだ。そのため、曲がるべき交差点を直進してしまうといったケースがたびたびあった。
・バッテリーの減りが早い
ナビゲーションは、ディスプレイの点灯と通信を常時行う。このためバッテリーの減りは普段の生活中の利用より早くなってしまうのだ。事実、1時間半ほどナビを利用したところ、iPhone 5のバッテリーは100%から45%までに減少してしまった。
もしナビをするのであれば、モバイルバッテリーの併用を推奨したい。
・屋外ではディスプレイが見にくい
走行を止めて画面で確認する際も直射日光の晴天下の場合、ディスプレイの明るさが外光に負けてしまい、画面が見えにくくなってしまう。つまり、地図を確認するには手などで日陰を作るなどの手間が必要だった。
以上、今回の実際に、スマートフォンでの自転車ナビの試した結果は、自転車にはスマートフォンのナビゲーションは向いていない、という結論に至ったわけである。
そもそもであるが、走行中に地図確認などは危険なので、そうした利用は言語道断である。やはり、一旦立ち止まってからの現在位置と目的地の確認、走行中はポーチなどに収納が一番よい使い方だ。
また、今回はあえてGoogle マップのナビ機能を試してみたが、ナビタイム社の自転車専用ナビアプリ「自転車NAVITIME」が自転車用として提供されている。もし、どうしても自転車でナビを利用したいと言う人は、そちらを利用する方法もあるかもしれない。
このような景色に出会うのがサイクリングの醍醐味
自転車でサイクリングやポタリング(自転車での散策さんぽのこと)は健康にも良いだけでなく、開放感から精神衛生てきにも良い。走行中ではなく、停車して現在値や目的地の確認などスマートフォンを正しくつかえば、これほどサイクリングやポタリングに便利なツールはほかにない。是非、近所からでもサイクリングやポタリングをはじめてはいかがだろうか。
布施 繁樹