パリ北部郊外に位置するラ・クールヌーヴで、33歳の父親と27歳の母親が逮捕された。子供4人に対する医学的処置の拒否など、6年前から育児放棄をしていたことが発覚したのである。

『Le Monde』紙によると、逮捕された母親は今年1月1日にサン=ドニの病院で女児を出産したのだが、その診察において妊娠中に産婦人科を受診していなかったことなどが判明した。不審を抱いた病院側は、乳幼児保護機関および警察に通報。その後行われた調査で、母親とその夫の間には産まれたばかりの女児の他に2歳、5歳そして6歳の子供の存在が明らかとなった。子供達は現在に至るまで医学的処置が施されるどころか、出生届の提出すらされていなかったのだ。

インド系のこの両親と子供達は、2008年から現在まで300世帯以上もあるラ・クールヌーヴの大型アパートの一部屋で暮らしていた。表札を掲げることもなく、近所の住人達と交流を持たなかったため、子供達の存在は誰にも気づかれることがなかったそうだ。汚いままの室内には子供のためのおもちゃや新生児用ベビーベッド以外のベッドすらなく、子供達は床に直接敷かれたマットレスの上で眠る日々を過ごしていた。

発見された子供達のうち、年少の2人は栄養失調の傾向が、また年長の2人には深刻な発育障害の兆候が確認されたため、現在は病院に預けられて治療を受けている。

この両親は育児放棄の容疑で逮捕されたが、子供達の受診を拒否するなど彼らからは罪の意識が感じられず、また今回の件を虐待と認識していないようだと報じられている。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)