『人脈仕入術』/野町 直弘
先日日本で唯一のと言っても過言ではないカリスマバイヤーの藤巻幸夫氏がお亡くなりになられました。54歳というお若さでした。本当に残念でなりません。
2009年に藤巻さんを取り上げたテレビ番組を見て私が書きましたブログ(メルマガ)がありましたので悼む言葉の代わりに贈りたいと思います。

先日日本で唯一のと言っても過言ではないカリスマバイヤーの藤巻幸夫氏がお亡くなりになられました。54歳というお若さでした。本当に残念でなりません。

2009年に藤巻さんを取り上げたテレビ番組を見て私が書きましたブログ(メルマガ)がありましたので悼む言葉の代わりに贈りたいと思います。

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『人脈仕入術』

日本で「カリスマバイヤー」と呼ばれている最も有名な方は言うまでもなく藤巻幸夫さんです。藤巻さんは1960年生まれ(私とほぼ同年代)で伊勢丹から福助、イトーヨーカドーを経て現在はフジマキ・ジャパンの代表取締役副社長をなさっています。

先日NHKテレビの「知る楽−仕事学のすすめ−」という番組で藤巻さんのお話しが放映されているのを見ました。ご覧になられた方も多くいらっしゃるとは思いますが、何と言いますか「凄い!」の一言です。

私が見た回は、藤巻さんをテーマにした「人心巻き込み力」の第二回目、
『「人脈」が仕事を変える』でしたが、その中で特に印象に残った点が二つほどあります。

一つ目は藤巻さんの人脈つくりに対する考え方です。
藤巻さんは、若いころからとにかく人脈を作ることを徹底してきています。「金を稼ぐのではなく人を稼げ!」という名言にそれがよくあらわれています。人脈作りには時間、お金、手間を惜しみません。

ここからは私がこの番組を通して感じたことなのですが、人脈作りのヒントは「損得勘定をしない」ことと「居心地を求めない」ことだと強く感じました。
よく情報は「ギブ&テイク」と言いますが短期的な「損得勘定」なしに、ただ単に人脈作りに時間、お金をかけている人は実はあまり多くないと思います。
また何か交流会や人脈ができるとやはり「自分を中心とした輪」を考えがちです。人脈というのは自然に拡がっていくものです。最初は自分が中心となりできた人脈であっても、知り合い同志がまた違う知り合いを紹介しあい、自然とその輪が拡がっていく。これは非常に楽しいことですが、人と言うものは自分が知らないところで輪が拡がることに嫉妬感や抵抗感を持つ人も少なくないと思います。

次の「居心地を求めない」というのは、交流会で立ち上げた時は大盛況でも数回で人数が減ってしまい、1年継続しない会とかによく見られるものです。交流会に参加している主要メンバーはある程度輪が拡がると「居心地」がよい会になってしまい、ややもすると排他的な感じになってしまいます。

これも人脈作りに関するヒントの一つだと思います。

テレビでは藤巻さんが、若手の頃から現在に至るまでとにかく人脈作りばかりしている姿を紹介していました。素晴らしいのは今のような超有名人&超多忙になってもその考え方や行動に変わりがないことです。
この原動力になっているのは「『人脈』こそ、仕事と人生を楽しくするし、自分が苦境に立たされた時に役立つもの」という信念&実体験なのでしょう。

そもそも「人脈仕入」に何かの目的があるのではなく「楽しいからやる」「人脈仕入」自体が人生そのもの、という考え方が心の中まで染み込んでいるのが藤巻さんなのです。

印象に残ったニ点目は藤巻さんの「人脈仕入術」です。
テレビで彼の「人脈仕入術」の場面が紹介されましたが、その特徴は「誰にでも」
「低姿勢」「とにかく褒める」「自筆の手紙を書く」などです。
これらに共通する「人脈仕入術」は『公平に』『相手に良い&強烈な印象を与える』ということです。
初対面の時に藤巻さんはただ単に名刺を渡すだけでなく、相手の特徴を即座に
把握します。珍しい名前でもよいですし、ファッションでもよいですし、いただいた名刺でもよいでしょう。で、次にそれを「褒める」のです。
その「褒め方」がとても自然(というか本人は意識していないので多分地なのでしょう)なのです。
『相手に良い&強烈な印象を与える』には相手に関心を持っていることを、それも
自然に行うことが重要ですし、私もなかなかそれができていません。

見習うべき点ですよね。

(中略)
私も藤巻さん同様「『人脈』こそ、仕事と人生を楽しくするし、自分が苦境に立たされた時に役立つもの」だと確信しています。
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バイヤーという立場でありながら経営の視点からモノを見られ正に経営に寄与する調達・仕入を実行されてきた藤巻様のご逝去に、

謹んでお悔やみ申し上げます。