試合 :プレミアリーグ 第29節
開催日:2014年3月8日
結果 :マンチェスター・ユナイテッド勝利
スコア:「0−3」
得点者:ジョーンズ ルーニー ウェルベック


マンチェスター・ユナイテッド

FW ファン・ペルシ
MF ヤヌセイ ルーニー マタ
MF キャリック フェライニ
DF エヴラ ジョーンズ スモーリング ラファエル
GK デ・ヘア

FW ウェルベック
MF 香川真司 ルーニー マタ
MF キャリック フェライニ
DF エヴラ ジョーンズ ヴィディッチ スモーリング
GK デ・ヘア


前半34分にキッカーがファン・ペルシのセットプレイからフィル・ジョーンズがヘディングで決めてマンチェスター・ユナイテッドが先制。マンチェスター・ユナイテッドは、いつものモイズが志向している攻撃だったが、決定的な得点チャンスを作ったのは1回ぐらいで、このままではどうかな、という感じだったのだが、セットプレイから得点を奪えて一安心という感じだった。そして、後半の20分には、右サイドからのクロスにルーニーがファーサイドへと走り込んでフリーとなりヘディングでシュートを決め、これでマンチェスター・ユナイテッドが2点のリードを奪う展開となった。ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンにも何度か良い攻撃はあったが、クリスタル・パレスと同様に、残念ながら個々の選手のプレイのクオリティというのが、この試合では最後のところや最後の1つ手前のところで欠けてしまっていて、という感じだった。

そして、2点のリードとなってからの後半31分、マンチェスター・ユナイテッドはヤヌセイに代えて香川を投入。ポジションは左SH。正直、ウェルベックはその前の時間の後半18分にファン・ペルシと交代して既にピッチに立っていたが、まだベンチにはヤングやギグスも残っていたし、これだとマタと香川を同時起用する事にもなるし、ここでモイズが香川を使ったのは少し驚きだった。3月19日のCLの試合へ向けて1試合なり2試合なりを使って香川をウォーミングアップさせたいという意図だったのか、2点のリードを奪ったので守備力やポゼッション力を上げたいという意図で香川を選んだのか、マタと香川の同時起用を試してみたのか、スポンサー的なものなのか、それとも、ヤングやギグスなどを温存させたいという意図の方だったのか。おそらくそこは、この先の2試合から3試合ぐらいを観れば判るのではないかと思う。

という事で、代表試合から中2日、個人的には少し予想外の途中出場となった香川だったが、香川はとにかくモイズどのようなサッカーを志向していようが関係無しに香川らしくプレイし、左サイドから中へと入って主にルーニーやウェルベックとのコンビネーションでチャンスを作っていた。ただ、やはり最近の香川は少しフィジカルを鍛え過ぎてしまっているせいか柔らかさやアジリティが以前と比べて落ちているような感じがあったり、バルセロナではないのでそこでもう1つリターンパスをしてもルーニーはまさか来るとは思っていないだろうというプレイをしてしまったり、少し歯がゆさが残るようなパフォーマンスだった。そして、後半37分にウェルベックが決めて3点のリードという展開になると、そこからのマンチェスター・ユナイテッドの選手たちは流すようなプレイとなり、もちろん香川もそうなって、そのまま試合終了という事になった。

まあ、香川にしてみたら、CLの試合での出場はあるかもしれないが、もうモイズの構想外となってしまっている事はわかっていると思うし、モイズの志向しているスタイルに自分のスタイルは適さないという事も考えていると思うし、それならばW杯へ向けてや来季に向けて怪我をしたくないという事もあると思うし、それから、やはり代表戦からの中2日という事での疲労感もあったと思うし、後半の37分という時間で3点のリードを奪っているという状況になれば、がむしゃらにプレイする必要は無い、という事にはなると思う。但し、その事については別に構わないのだが、やはり、最近の香川は少しフィジカルを鍛え過ぎてしまっているせいか柔らかさやアジリティが以前と比べて落ちているような感じがあり、その感じが一時期のフィジカルを鍛え過ぎてパフォーマンスを大きく落としたカズ(三浦知良)と重なるような感じがするので、そこは調整して欲しいと思う。