それぞれのネコにまつわるミニストーリーも紹介! 『パリのおうちネコ』(著者:ジュウ・ドゥ・ポゥム/発行:ジュウ・ドゥ・ポゥム/発売:主婦の友社/1500円+税)

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主にヨーロッパのアーティストの暮らしや、インテリアを紹介したオシャレで実用的な書籍を数多く手がけるジュウ・ドゥ・ポゥムから、パリで撮影したネコの写真が満載の本『パリのおうちネコ』が登場! とにかく見ているだけで癒される、ネコ好き必見の一冊。この本について色々聞くため、さっそく取材! 本書のネコたちの撮影を手がけた、フォトグラファーの徳吉久さんが答えてくださった。

――まず、今回『パリのおうちネコ』を出そうと思ったきっかけは何だったのでしょう?
自分がパリに住んでいた頃にネコを飼っていたこともあって、いつかネコの本を作りたいという気持ちはありました。でも企画としては、自然発生的なところもありますね。これまでアーティストたちのアパルトマンやアトリエを訪ねる中で、そこにネコがいると、自然に撮影したくなる……というか。
ネコは、アーティストにとっても、パートナーや家族の一員のような大切な存在で、姿や動きがとても絵になる動物。ついネコにむかってシャッターを切ってしまうことも多かったんです。
ただ、ネコのいい写真を撮影できたとしても、実際はほかのテーマの本を作っていたので、ネコばかりクローズアップして取り上げることができませんでした。それが今回ようやく形になったという感じがします。

本書では、約10年間撮りためていた中から選んだものや、今回の本を出すために新しく撮影したものなど、併せて50匹のネコが紹介されている。ネコの種類は実に様々。気のせいかもしれないけれど、どこか日本のネコと違うようにも見える……。

――何か違いを感じることはありましたか!?
こうやって集まった写真を見ると、ちょっと見た目の特徴は違う感じがしますよね。からだも大きいし。日本でもなじみのあるキジトラ柄でも毛並みが長かったり、ミックス種でもグレーカラーのネコがいたり。
なので逆に、この本にも2匹ほど出てきますが、三毛猫みたいな柄のネコをパリで見ると新鮮で、とても愛らしく見えたりしました。
でも、やっぱりネコはネコで、世界共通、変わらないと思います。自由に外を歩き回るネコは、どこからか家に迷いこんできたり、定期的にエサをもらいにくるようになって、いつのまにか住みついたりということが日本でもあると思うのですが、パリでもそういう出会いから一緒に住みはじめたというお話がよくありました。

やはりネコの存在は万国共通のよう。
ところで、本書で紹介されているネコたちの名前はバラエティ豊か。

――「ブリオッシュ」や「トゥイユ」「エミール」などは、やはりフランスらしい気もするのですが、フランスで特に人気のネコの名前はありますか?
ポピュラーなネコの名前もあるみたいですね。ちょっと聞いた話の中では、ミミとか、ミネット、フェリックスとか……。
今回、登場するおうちネコたちは、アーティストの飼い猫たちということもあって、それぞれ個性的な名前を持っているように感じました。たとえばインドが好きなカトリーヌ・レヴィは、ヒンズー語からとったラジャという名前をつけていたり、日本が好きなアーティストはトトロやベントー(お弁当から)という名前をつけたりしていましたし。アーティストたちの世界が名前にでも出てきているのも、おもしろいですね。

編集を手がけた田島香子さんによると、撮影中、ネコの方からカメラを構えた徳吉さんに寄ってくることが多く、ネコの顔をカメラ側に向かせるのも上手だそう。たしかに、ここに写し出されているネコの豊かな表情や動きからも、その場のリラックスした空気感や、徳吉さんとの信頼関係が伝わってくる。どれも絶妙な瞬間が捉えられているといった感じ! 早くも続編、希望します!!

ちなみに、ギャラリー・ドゥー・ディマンシュ青山店では、2月11日から『パリのおうちネコ』展を開催。本の中に登場したネコたちの写真パネルの展示をはじめ、ねこグッズの展示販売やイラストレーターの北岸由美さんによるネイルペインティングのイベントも企画中とのこと。展示会の詳細はこちらをチェック。この機会にぜひ!
(田辺 香)