早稲田大学時代は“斎藤佑樹の女房役”として名を馳せ、2008年のドラフトで横浜ベイスターズから4位指名を受けた捕手・細山田武史。ルーキーイヤーから一軍入りを果たし、出場機会に恵まれるもレギュラー定着とまでは至らず。2012年にはFAで古巣に戻ってきた鶴岡一成や若手の台頭により、徐々にその居場所を奪われ、2013年10月3日、球団から戦力外通告を受けた。

TBS「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」(30日放送分)では、「斎藤佑樹の元女房役がクビ 早大出身エリート・・・結婚延期に」と題し、婚約者との挙式を延期し挑んだ細山田のトライアウトの模様を伝えた。

鶴岡の復帰や若手の起用について「3年間地道に積み上げてきたものを1年で全く無評価になるわけですから、それは本当に悔しい気持ちでした」と振り返った細山田は、2013年シーズンを迎え、決意を新たに彼女との結婚を決めるも、2月に入ると右腕の血行障害を発症。ボールを投げることができなくなり開幕に間に合わせることはできず、大きな遅れをとることとなった。

2ヵ月後に結婚式を控えた戦力外通告に、「無職の状態で先も分からずに、仕事に就けないかもしれないという不安を抱えたまま結婚式を挙げることはできないんじゃないかという決断をしました」という細山田。全ての望みを懸けて臨んだ11月のトライアウトでは、打撃面こそ不振に終わるも53打席でキャッチャーマスクをかぶり、20個の三振を奪う好リードを見せた。

それでも、球団からの連絡はなく番組のカメラに対し「次のトライアウトを受ける決意が徐々に固まってきた」と語った矢先、細山田のもとには、FAで2番手捕手・山崎勝己を欠くことになったソフトバンクホークスから育成契約でのオファーが入った。「連絡こないって思ってましたので嬉しいですね」と語った彼は、彼女に連絡を入れると「これで結婚式挙げれるね」と安堵の表情を浮かべ、「支配下選手にはやくなって幸せにしてあげたいですね」と意気込んだ。