ブドウから製造されるイタリアのバルサミコ酢には様々な種類があり、特に北東部エミリア・ロマーニャ州のモデナやレッジョ・エミリアで作られた「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ(伝統的なバルサミコ酢)」は、何千円から何万円もする高級品として知られている。そんなバルサミコ酢の産地モデナで273年前、1740年に製造されたバルサミコ酢が発見されて話題となっている。

イタリアのニュースサイト『Rainews24』によると、このバルサミコ酢はモデナのジャコリ家所蔵の18世紀に造られた戸棚の奥から発見されたものであるという。棚の中には1943年に書かれたメモが残されており、そこにはこのバルサミコ酢が1740年に、恐らく醸造所であると思われるモデナのグレゴーリ家で製造され、その後ジャコリ家に分けられたものであると記されていた。

このバルサミコ酢は発見後、モデナにあるバルサミコ酢博物館の専門家たちによって調べられた。その結果バルサミコ酢の品質を表す得点において、307点という高得点を得た。

この得点は、今年開催されたバルサミコ酢のコンクールで優勝した「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」より10.8点下回るものであるという。だが発見されたバルサミコ酢は、近年製造された最高級品に勝るとも劣らない品質を保っていることが明らかとなり、かつ273年物という“伝統”を伴っているため、イタリアをはじめとするヨーロッパ諸国で驚きを持って報道されている。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)