ハンバーグ屋のクーポン騒動は共同購入サイトの営業に言いくるめられていた? 過去には経営難になったお店も
昨日ガジェット通信で報じた“キッチンとらじろう”のありえない接客についての記事。この件だが、“キッチンとらじろう”のマスター自身が書いているブログには、クーポンを発行することになった経緯が書かれており、それを読むとどうやら共同購入サイト『Shareee(シェアリー)』に言いくるめられたのではないのかと推測できる。
昨年8月23日のブログには次のように書かれている。
今度、キッチンとらじろうでクーポンを出しました。
今迄安売りのクーポンってのは、どうも関心しなくてやらなかったんやけど、今回初めて出しました。
それもコレも、シェアリーの営業マン、スゲー熱い奴だったんです!!
ハンバーグを食って、「コレ、いけますよ。是非やりましょう!」
何だよ何だよ、若い世代の子達、結構熱い奴ら多いじゃんかぁ〜!
とらじろう、オリンピックで若い世代の子達に元気をもらったから、またしても、ジーンと来てしまった。
どうやら直接店まで交渉に来た『Shareee』の営業に「行けますよ!」と言われてクーポンを開始したのがきっかけのようだ。この日を境に“キッチンとらじろう”はクーポンを発行し1000枚のクーポンは完売。追加で300枚のクーポンも発行したようだ。
しかしここからが落とし穴であった。クーポンの売り上げは『Shareee』に入るようで、“キッチンとらじろう”に入金されるのは数か月後、早くても1か月遅れとなる。もちろんクーポンは発行してしまったのでメニューは提供しなくてはいけないのだが、その客は“キッチンとらじろう”ではなく一時的に『Shareee』側にお金を支払っている客。要するに材料を買うことやお店を回していくことも難しくなったようである。
最初はクーポン客に対しても対応が良かったようだが、1000枚以上というキャパシティを越えた枚数に店側も悲鳴を上げているようだ。ちなみに“キッチンとらじろう”はカウンター席10席しかない個人経営のお店。そんなお店に毎日クーポン客が来たらどうなるか想像つくだろう。
『Shareee』の営業は枚数を売っただけ成績になるのか、さばききれない枚数やキャパシティオーバーであっても「大丈夫ですか?」と注意すらしなかったと考えられる。いわゆる契約を勝ち取ったもの勝ちなのだ。
過去に個人経営のたい焼き屋が似たような共同購入サイトにてクーポンを発行した際に「グルーポンを継続することは当店の宣伝、リピーターの獲得どころか、存続さえ危ぶまれる状態に陥ってしまう」と言う理由で発行したクーポンの利用を中止したことがあった。このたい焼き屋はこの後閉店している(因果関係は不明)。
このようにクーポンだけを先に発行しても入金されるのが遅い事からお店側も悩まされるケースがあるのだという。これが原因で“キッチンとらじろう”が客に対してありえない接客を行っているのかは不明だが、このクーポン商法は個人経営店に対してもう少しケアをすべきではないだろうか。
入金が数か月遅れるのは経理上仕方ないことではあるが、せめて契約前にどういう流れでどれくらいの客が来るかと事前によく話し合う必要がある。こんな結果になってしまい特をするのは共同購入サイトだけ。店や客が損をするというマーケティングにいつまでもユーザーは着いていくのか疑問だ。
クーポン共同購入サイトにてトラブル “キッチンとらじろう”がクーポン客に対してありえない接客
※この記事は、ゴールドラッシュの「ソル」が執筆しました。