虎視眈々とタイトル戦線再浮上を狙うドナルド・セラーニ。地元でのファイトでローキックは最大の武器になる!? (C) GONGKAKUTOGI

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11日(土・現地時間)、UFC生誕の地デンバーはペプシ・センターで開かれるUFC150「Henderson vs Edgar II」。メインでUFC世界ライト級選手権試合が行われる同大会のPPVカードでは、もう1試合ライト級の試合が組まれている。

ネイト・ディアズがほぼ次期チャレンジャーの座を手にしたと思われるライト級戦線だが、そのディアズにどんなトラブルが生じるかは誰にも分からず、数多くの実力者が虎視眈々と挑戦者の座を掴もうとしている。

ディアズに敗北を喫したものの、昨年WECからUFCに移ってきて以来5勝1敗の戦績を残しているドナルド・カウボーイ・セラーニもその一人だ。セラーニの今回の対戦相手は、一度はタイトル挑戦へ近づいていたものの、ジョー・ローゾン&ジム・ミラーに連敗を喫してしまったメルビン・ギラードだ。

ギラードはTUFシーズン2出身、抜群の運動神経を誇る。UFC148でファブリシオ・モランゴ戦での勝利のように、フィジカルを全面に生かして戦うのが常だ。ただし、元ジャクソンズMMAの同門セラーニはコロラドベースのリング・オブ・ファイアーでK-1ルールやMMAのキャリアを重ねてきたファイターで、この1戦は完全アウェイに乗り込む厳しい戦いになる。

一方、セラーニとってギラードとの戦いは、2010年9月のWEC51、ジェイミー・ヴァーナー戦以来2年振りの凱旋試合となる。日進月歩で進化を遂げるUFCにあって、その主流はレスリング+ボクシング、そして柔術で補充というのが王道スタイル。ギラードはその典型的なファイターだが、加えて強靭なフィジカルとリーチの長さを生かす戦いをするために、ロングレンジからトリッキーな仕掛けも用いる。ただし、セラーニは近年導入が不可欠というべき、蹴りを使いこなすことができる選手だけに、その利点を生かして優勢を保つことができるだろう。

オーソドックスの構えで左足を大きく踏み出すギラード、この前足には、効かせるローを打てるセラーニにとって、格好の標的となるに違いない。遠い距離から長いリーチを生かして飛び込むギラードに対し、踏み込みを消すことからセラーニの攻撃が始まり、ローを効かすことで上下に攻撃を散らすことも可能に。

さらにテイクダウンや足払いに繋げることが予想されるドナルド・カウボーイ・セラーニ。MMAの進化を目の当たりにするUFCにあって、フィジカル&レッスルボクシングファイターが、如何に蹴りの使い手を攻略できるのか。これまで通りのギラードだと、一か八かの攻撃でしか勝機は掴めない。

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