バブル時代、女性が結婚相手の男性に求める条件は「三高」(高学歴、高収入、高身長)だった。しかし、いまは「三平」だという。平均的年収、平凡な外見、平穏な性格――こうした男性を求める女子を“三平女子”と呼ぶそうだ。命名したマーケティングライターの牛窪恵さんに“三平女子”が増えている背景を聞いた。

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 20、30代のシングル女性を調査して、結婚相手に求める条件がバブルのころと全く違ってきているということがわかってきました。高望みをしないし、年収もそれほど重視していない。彼女たちが求めているのは、安心と安定でした。平均的な年収で、平凡な外見で、平穏な性格、つまり“三平”の男性がいいという女性が増えているんです。

 平凡な外見というのは、かっこよすぎるイケメンは浮気の可能性がありますよね、それなら、見た目もそんなにかっこよくなくてもいいと。また、パートナーとケンカをしたくない、余計なストレスを感じたくないという女性が増えていて、結婚相手も平穏な性格がいいと考えるようになっています。

 年収に関しては、できれば正社員で安定した年収がある人がいいのですが、400万円あればまぁいいというのが最近の傾向です。実際、30代で結婚している女性たちは年収300万円台の人と結婚している女性が最多。相手に年収600万円を求めるのでなく、自分も働いて200万円くらい稼いで、世帯年収で600万円あればいいと考えているんですね。

“三平女子”が増えるきっかけのひとつは、リーマン・ショックです。2007年、2008年に婚活ブームがあって、高望みをしているといつまでたっても結婚できないというのを多くの女性が感じていたわけですね。そんななか、2008年秋のリーマン・ショックで、これから不景気の時代になるとはっきりと見えたことによって、さらに安定を望む傾向が強まった。結婚相手として公務員人気が出てきたのもその一例です。

 さらに昨年3月の東日本大震災があって、おひとりさまでいることの不安を感じる人が増えてきた。いつまでも高望みして相手を探しているより、周囲に“三平”の男性がいれば、30才までに結婚して30代前半のうちに子供を産みたいというのがひとつの目安になってきたように思います。女性には出産年齢のリミットがあるので、なるべく早く結婚して出産したいと考えるは当然で、男性とは危機感が違います。

 こうしたなかで“圏外婚”も増えてきています。これまで圏外と思っていた男性にアプローチしている傾向が出てきているんです。昨年、芸能界でも年の差婚ブームというのがありましたが、実際、国の調査でも7才以上年の離れた男性との結婚が増えているんです。そういう男性を圏外とみなさず相手としてターゲットしていくというのは非常に現実的な考え方。アラフォー女性の年下男性ブームもそうです。

 国際結婚もそうですね。以前、国際結婚がブームになったときは相手がヨーロッパ人やアメリカ人という例が多かったんですが、最近は韓流ブームやアジア留学生の増加もあって韓国人や中国人と結婚する女性も微増傾向に。いまは海外の人とも、スカイプでも交信できますし、フェイスブックもありますから、いままでこの人はないだろう、と圏外だと考えられていた人たちにも結婚の対象を広げているのです。女性は、日本人じゃなければ、同じ年くらいでなければ、といっているといい相手がいないというのを暗黙のうちに気づいていて、色々な人たちと交流しているのではないでしょうか。