火山灰を使って作る、干物
肉全般が好きなのだが、中でも好きなのは鶏肉だ。随分前に『食わず嫌い王』に出演していたイチローも、名古屋コーチンを好物に挙げていた。
その際、彼がチョイスした食べ方は“ねぎま”。美味しいよねぇ……。いや、鶏は何でも好きなのだけれど。から揚げでも、ソテーでも、ローストチキンでも。
そして今、こんな食べ方もあるらしい。NPO法人「たかはるハートム」(宮崎県高原町)が商品化したのは、“火山灰で作る干物”。これを10月5日より、JR高原駅の構内(「駅サイティング市 高原駅店」)で販売しているそうなのだ。
ちなみに、商品となっているのは『熟成たかはる灰干し―鶏もも』(880円)と『同―鶏もつ(心臓、レバー)』(880円)。
それにしても火山灰を使用するというのが、極めて大胆な気がするのだが……。どういった経緯で、この干物は出来上がったのだろうか?
「今回の新燃岳の噴火で大量の火山灰が高原町に降り、取り除きたかったというのが最大のきっかけです」(「たかはるハートム」大迫さん)
1月下旬の新燃岳の噴火を受け、災害情報研究を専門としている干川剛史教授(大妻女子大学)が同町へ訪問。その際、ハートムが火山灰を用いた“灰干し”の方法を、干川教授から教わったのだ。
「実はこの方法、三宅島に噴火が起こった際でも行われたものなんです」(大迫さん)
火山灰は、水分を吸い上げる。その特性を活かし、空気に触れさせないようにして食材を乾燥させて仕上げるのが“灰干し”。この試みによって、実際に三宅島の灰は少なくなっているという。
そして、これが高原町にもうってつけだった。何しろ、それまでは火山灰を集めてはただ捨てるだけだっただけに……。
では、「たかはるハートム」が実際に行っている“灰干し”の方法についてご説明したいと思います。
まず、火山灰を敷きつめる。その上にさらしを、そしてそのまた上にセロハンを敷いていく。その上に乗せるのが、適度な塩水を加えた鶏である。そして、ここにセロハンを被せ、さらにさらしを被せて、最後に火山灰を上乗せ。要するに、火山灰でサンドイッチしてみせた。これを24時間あまり、冷蔵庫の低温で寝かせて熟成させるのだ。
実はこの方法での干物づくりがかなりの手間らしく、一日で製造できるのはせいぜい10個だという。
「まだ多くを作れる段階ではありませんが、今後灰干しに取り組んでいただく業者が増えればと考えています」(大迫さん)
そんな“火山灰で作る干物”を、私も何とかして入手しました! そして、実際に食べてみたいと思います。
ただ、悩んでしまう。食べ方が、3通り(「熱湯の中に入れて、温めて食べる」、「電子レンジで温めて食べる」、「そのまま食べる」)もあるのだ。
迷いに迷ったが、お腹が空いているのでそのままいってみましょう。
では、まずは鶏ももの方を……。うわっ、封を開けると鶏独特のいい香りが! これを食べてみると、もう言うまでもなく美味しい。皆さんがイメージしている鶏肉の旨味を、一番美味しい形でいただいていると思う。
また、水分は当然ないのだけど、どこかジューシーさを感じる味わいというか。普通の干物とも、明らかに違うな。これは、酒のつまみにタマらんわ……。
続いては、鶏もつの方も試食してみたいと思います。こちらは、既存の干物に近い香りが漂ってくる。発酵させた感じというか。これを、いただきます!
う〜ん、味わい深い。まさに、鶏の旨味が凝縮されているテイスト。そして、もつなのに、全く“ネチャッ”としていないのだ。
「『フォアグラみたいだ』と表現された方も、いらっしゃいました」(大迫さん)
同法人が手掛ける“灰干し”には、3つの特徴があるという。
1. 臭みがほとんどなくなる
2. 余分な水分が抜け、旨味が増す
3. 肉が柔らかくなる
なるほど、確かに……。
高原町に降った火山灰は粒子が非常に細かく、図らずも“灰干し”には最適だった。だからこそ高原の特産品にしたいと、同法人は意気込んでいる。
(寺西ジャジューカ)
その際、彼がチョイスした食べ方は“ねぎま”。美味しいよねぇ……。いや、鶏は何でも好きなのだけれど。から揚げでも、ソテーでも、ローストチキンでも。
そして今、こんな食べ方もあるらしい。NPO法人「たかはるハートム」(宮崎県高原町)が商品化したのは、“火山灰で作る干物”。これを10月5日より、JR高原駅の構内(「駅サイティング市 高原駅店」)で販売しているそうなのだ。
ちなみに、商品となっているのは『熟成たかはる灰干し―鶏もも』(880円)と『同―鶏もつ(心臓、レバー)』(880円)。
「今回の新燃岳の噴火で大量の火山灰が高原町に降り、取り除きたかったというのが最大のきっかけです」(「たかはるハートム」大迫さん)
1月下旬の新燃岳の噴火を受け、災害情報研究を専門としている干川剛史教授(大妻女子大学)が同町へ訪問。その際、ハートムが火山灰を用いた“灰干し”の方法を、干川教授から教わったのだ。
「実はこの方法、三宅島に噴火が起こった際でも行われたものなんです」(大迫さん)
火山灰は、水分を吸い上げる。その特性を活かし、空気に触れさせないようにして食材を乾燥させて仕上げるのが“灰干し”。この試みによって、実際に三宅島の灰は少なくなっているという。
そして、これが高原町にもうってつけだった。何しろ、それまでは火山灰を集めてはただ捨てるだけだっただけに……。
では、「たかはるハートム」が実際に行っている“灰干し”の方法についてご説明したいと思います。
まず、火山灰を敷きつめる。その上にさらしを、そしてそのまた上にセロハンを敷いていく。その上に乗せるのが、適度な塩水を加えた鶏である。そして、ここにセロハンを被せ、さらにさらしを被せて、最後に火山灰を上乗せ。要するに、火山灰でサンドイッチしてみせた。これを24時間あまり、冷蔵庫の低温で寝かせて熟成させるのだ。
実はこの方法での干物づくりがかなりの手間らしく、一日で製造できるのはせいぜい10個だという。
「まだ多くを作れる段階ではありませんが、今後灰干しに取り組んでいただく業者が増えればと考えています」(大迫さん)
そんな“火山灰で作る干物”を、私も何とかして入手しました! そして、実際に食べてみたいと思います。
ただ、悩んでしまう。食べ方が、3通り(「熱湯の中に入れて、温めて食べる」、「電子レンジで温めて食べる」、「そのまま食べる」)もあるのだ。
迷いに迷ったが、お腹が空いているのでそのままいってみましょう。
では、まずは鶏ももの方を……。うわっ、封を開けると鶏独特のいい香りが! これを食べてみると、もう言うまでもなく美味しい。皆さんがイメージしている鶏肉の旨味を、一番美味しい形でいただいていると思う。
また、水分は当然ないのだけど、どこかジューシーさを感じる味わいというか。普通の干物とも、明らかに違うな。これは、酒のつまみにタマらんわ……。
続いては、鶏もつの方も試食してみたいと思います。こちらは、既存の干物に近い香りが漂ってくる。発酵させた感じというか。これを、いただきます!
う〜ん、味わい深い。まさに、鶏の旨味が凝縮されているテイスト。そして、もつなのに、全く“ネチャッ”としていないのだ。
「『フォアグラみたいだ』と表現された方も、いらっしゃいました」(大迫さん)
同法人が手掛ける“灰干し”には、3つの特徴があるという。
1. 臭みがほとんどなくなる
2. 余分な水分が抜け、旨味が増す
3. 肉が柔らかくなる
なるほど、確かに……。
高原町に降った火山灰は粒子が非常に細かく、図らずも“灰干し”には最適だった。だからこそ高原の特産品にしたいと、同法人は意気込んでいる。
(寺西ジャジューカ)