読書の秋にこんなしおりはいかが?

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モノづくり大国である日本には、各地域に根差すモノづくりの専門家が大勢いる。メイド・イン・ジャパンの品質のすばらしさは多くの人が認めるところだろう。

ただ、地域産業の置かれている状況はキビしい。そこで、各地でモノづくりをおこなう人たちを応援しようと始まったのが、「僕らの地域産業協業活動」というプロジェクト。立ち上げたのは、グラフィックからウェブ、プロダクトまでボーダレスに活躍するデザイン集団、セメントプロデュースデザイン。プロジェクトを通して各地のモノづくりの専門家とコラボし、さまざまな商品を開発している。

先日も新プロダクト「SEE OH! Ribbon(しおりぼん)」を発表。このアイテム、ユニークなのはネーミングだけではない。福井県のリボンメーカーが包装資材として作っているリボンを使ったしおりで、“飾りつけるために使う”というリボン本来の要素を大きく取り入れた斬新なデザインが特徴だ。

本の内側にはさんで使うという一般的なしおりの役割に加え、本の外側をオシャレに演出してくれるリボン素材のしおり。ゆらゆら揺れるようなデザインは、カフェや電車での読書でも注目を集めそうだし、家の本棚の雰囲気もガラリと変えてくれそうだ。

デザインは「Flower」「TYPO」など全5パターン。「Flower」はかわいらしい花のデザイン、「TYPO」は押し花や羽ペンなどアンティークなアイテムがモチーフ。それぞれ1シートに3種のしおりがセットされている。商品は11月より全国のインテリアショップや同社のオンラインショップで販売されており、価格は各1,260円だ。

このほかにも、北海道旭川の木工メーカーとコラボしたユニークな形のメジャー「HOUSE MEASURE(ハウスメジャー)」が11月21日に発売されるほか、すでに同プロジェクトによって誕生したプロダクトはいろいろある。どれも、素材の持つ魅力を引き出したデザインと高い技術が融合したクリエイティブなアイテムばかりだ。

セメントプロデュースデザインのPR担当によれば、協業するメーカーはどこも非常に前向きだという。やはり背景には地域産業のおかれた大変な状況もあるのだろう。
「既存事業の縮小や労働者の高齢化、海外への技術の移管などの問題があり、今までのやり方やビジネスでは継続できないので、新たな動きを模索して新規事業を立ち上げることも多いです。このプロジェクトでも、材料として使われ、B to B(企業間取引)事業が多かったモノを一般流通で販売できるようにし、新たな事業展開を狙っています」
単に商品のデザインをするだけではなく、プロモーションや販売まで一貫してプロデュースできるのも同社の強み。
「日本の伝統技術の素晴らしさや細かさをより多くの人々に知ってもらい、伝承していってもらいたい」
とのこと。今後は海外での販売拡大にも力を入れていきたいそうだ。

気に入って買ったアイテムが地域産業のサポートにつながるなら、消費者としても嬉しいですね。
(古屋江美子)