12日に行なわれたユーロ2012予選グループD第4節で、フランスがルクセンブルクを2―0でくだした。フランスは黒星スタートのあと3連勝、勝ち点を9に伸ばしグループ首位の座を固めて今年の予選を終えた。

 試合は実力で優るフランスがボールを支配し圧倒的に押す展開。フランスのローラン・ブラン監督は試合後レキップ紙に、「見せるゲームになるためには、両チームが攻めて点をとる意欲を出さないと。それをしたのは我々だけで、相手は守りに徹した。これは簡単じゃない」と話し、引き分け狙いで守備を固めるルクセンブルクにストレスを感じたことを明かした。

 相手の密集したディフェンスをこじあけるには、「フィジカルが100%の状態であることが必要だが、我々はそうじゃなかった」と分析するブラン監督。「そんなときは、セットプレーかロングシュートで得点するしかない」との判断通り、フランスは23分にグルキュフのコーナーキックからベンゼマ(レアル・マドリー)が先制点、76分にグルキュフが25メートルのシュートを放って追加点をあげた。

 いずれもブラン監督がいたときのボルドーが得意とした得点パターン。その立役者は当時から監督が頼りにした司令塔グルキュフ(現リヨン)だ。レキップ紙の元記者で名物コメンテーターのピエール・メネス氏は全体的に辛い評価をする中で、グルキュフをこの試合のベストプレーヤーに挙げた。とくに残り30分で投入されたナスリ(アーセナル)とのコンビネーションは今後に期待がもてるとしている。

 ちなみに同氏は、ブラン監督と非常に親しいことで知られ、サッカーの見方にはかなりの共通点がある。そのメネス氏によると、この2試合つづけてポイントを下げたのが、左サイドのDFクリシ(アーセナル)とMFマルダ(チェルシー)だ。

 とくにクリシについては、敗れた初戦のベラルーシ戦で失点を招いて以来改善が見られず、「問題は深刻」と指摘される。つい最近までは層の厚さを誇ったフランス代表の左サイドバックだが、エヴラ(マンチェスターU)とアビダル(バルセロナ)が“去った”現在は、やや心もとない。場合によってはこの2人の復帰が検討されることもあり得るだろう。W杯の不祥事の責任で5試合の出場停止処分を受けたエヴラは、公式上は次の試合から代表復帰が可能になる。