開幕から不振にあえぐリヨンが25日、リーグ・アン第7節で首位サンテティエンヌに敗れて今シーズン早くも4敗目、降格圏の18位に転落した。

 2002年から破竹の7連覇を成し遂げ常勝軍団となったリヨンがここまで順位を下げたのは15年ぶり。このときは1995年9月22日にニースに敗れ19位だった。シーズンは11位で終えている。

 またサンテティエンヌとのダービーでいえば、16年間負け知らず。本拠地のジェルラン・スタジアムで敗れたのは17年前の2月が最後だった。

 2シーズンつづけて優勝を逃したうえ3年目の今季も最悪のスタートを切ったクロード・ピュエル監督に対しては、試合後に猛烈なブーイングが巻き起こり、サポーター席には「ピュエル辞任」の横断幕が掲げられた。

 レキップ紙によると、事態を重く見たジャン=ミッシェル・オラス会長は、サポーターの元に駆け寄ってマイクを握り、「まず今週、選手たちの練習を妨げずにいてくれたことに感謝したい。このまま、緊張を生み出そうとするメディアに影響されないでほしい。今晩みなさんは、選手たちががいい精神状態を保ち、精一杯やったのを見てくれたと思う。来週はチャンピオンズリーグ(CL)の一戦がある。われわれは絶対にグループリーグを突破しなければならない」とメッセージを送り、引き続き応援を求めた。

 しかしサポーターたちの「ピュエル辞任」のコールはなかなか鳴り止まない。会長は声を張り上げ「もうちょっとだけ聞いてほしい。サンテティエンヌは判定ミスで勝った。みなさんのメッセージはよくわかった。われわれは10月末にすべてを見直す。クロード・ピュエルにチャンスを与えろとは言わない。ただ、長い間がんばってきたクラブに、スタッフに、首脳陣にチャンスを与えてほしい」と巻き返しを約束すると、観客席に鳴り響く「ジャン=ミッシェル・オラス!」の連呼を背にピッチを去った。

 名物会長のスピーチでかろうじてサポーターの怒りをしずめたリヨン。29日のCLハポエル・テルアビブ戦はアウェーだが、リヨンらしい勝ち方で何としても3ポイントをもぎとらねばならない。