【オピニオン】人材サービスの質を落とさぬ努力を−日本人材ニュース
 100年に一度といわれる今回の不況で、企業の人材需要に異変が生じている。過去の産業構造の転換を振り返ると、1970年代半ばのオイルショック後、1990年代半ばのバブル崩壊後と、不況がおとずれるたびに産業構造は大きく変化してきた。今回の不況でも、これまで輸出に大きく依存していた産業が、構造変化にさらされている。


 ところが、人材の移転という点からみると、今回の不況は、以前の不況期とは異なっているようだ。金融の流れが止まり、これまでにない急激な落ち込みとなった。

 求人をストップする企業が続出し、自発的な転職者が減少する中、リストラされた失業者だけが日を追って増加していく。環境、福祉・介護など、新産業と目される分野は、あまりにも未成熟で雇用の受け皿には程遠い。現状では、雇用環境はさらに悪化すると言わざるをえないだろう。

 同時に民間の人材紹介の機能が大きく傷つこうとしている。人材紹介事業が日本に始まって、およそ50年。その間、人材紹介サービスを通じて、新規事業の立ち上げ、競争力強化のための人材を、必要な時に必要に応じて獲得することで、企業経営における人材戦略を支えてきた。

 一方、転職者には、コンサルタントがキャリアの棚卸を行い、転職希望者一人ひとりの仕事の可能性を広げるとともに、求人票だけでは分からない、その人に合う風土をもった企業の仕事を紹介することで、キャリア形成を支援している。

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