【オピニオン】塹壕で知恵を−日本人材ニュース
 G7記者会見での体たらくで中川財務相が辞任に追い込まれた。日常を知る人によると、逆によくここまで問題にならなかったと思うほど以前から体調(酒癖?)が悪かったらしい。世界的経済危機の処方せんを話し合う国際舞台での醜態だ。辞任は当然だろう。置かれた状況への認識の甘さ。緊張感のなさ。勘どころを取り違えた対応。傍観するだけの周囲。この記者会見の映像を繰り返し見ていると、麻生政権そのものの映し絵のように思えてくる。



 先日懇談した財界首脳は、政局に話が及ぶと「かんぽの宿とか、郵政四分社化の見直しとか、経済全体が崩落しているときに、そんなことやってる場合なのかと思いますよ。ピントがずれ過ぎている」と切って捨てた。

 別の会合で話した企業経営者は「麻生政権の経済対策をいくら読み込んでも、新しいビジネス分野が見えてこない」と指摘。「百六十万人の雇用創出にしても、消費税引き上げ方針にしても、てんでばらばらで個別政策の域を出ず、日本の総合設計図の中での位置付けが分からない。これでは企業の投資を誘発することはできない」と手厳しい。

 首相自身の言葉は「GDP比で主要国トップの財政出動をした」「大胆な対策を打つことで世界で最初にこの不況から脱出する」などと威勢がいい。だが、財政出動は需要不足を埋めるための対症療法にすぎない。

 目先の経済危機の克服と同時に求められているのは、「次の百年に日本はどうや...(もっと読む


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