【オピニオン】会社の明暗を分ける人材戦略−日本人材ニュース
 世界的な経済不況の中で企業各社は生き残りをかけた事業構造改革を強いられている。先行き不透明の中で会社内にも閉塞感が漂いがちであるが、こういう時期こそ経営者と従業員が一体となり、将来を見据えた経営再建に取り組むべきである。

 バブル崩壊後の平成大不況でも苦境に陥った企業の多くは経営戦略の抜本的見直しを迫られ、さまざまな改革を断行してきた。

 選択と集中による事業部門の統廃合やM&Aをはじめとする事業構造改革、また、組織内改革では業務の効率化や権限の委譲と責任の明確化を旗印にカンパニー制や執行役員制度の導入も行われた。

 人事改革も同様に経営トップが推進する構造改革の一環として実施された。平成不況下では大きく?人員削減・賃金カット?採用抑制?年功的賃金制度の見直し?昇進・昇格制度の見直し(若手の抜擢)―4つが実施された。

 ?と?は人件費削減を目的とした緊急避難的措置であるが、やり方によって大きく明暗が分かれた。人員削減は社員に極度の不安感を与えるため迅速な実施が望ましいが、経営計画の見通しの甘さから希望退職募集を2次、3次と複数回にわたって実施した企業もあった。たとえばある大手流通業は複数回の人員削減策により社員の心身を疲弊させた結果、仕入れまで滞る事態になり、ついに客足まで遠のき、倒産に追い込まれている。

 ?の採用抑制は多くの企業で複数年にわたり新卒採用ゼロが続いた。じつは再...(もっと読む

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