グローバル人材の採用と育成 - 海外市場での修羅場経験を活かす
 グローバル化の進展とともに日本のビジネスリーダーのスペックは変容している。本社の主要部門を経験し、確固とした社内人脈を築くことが条件ではなくなった。むしろ、外様に配置されても、積極果敢に厳しい現場で「切った張った」を演じてきた人材が、企業を次なるフェーズへの進化や、経営危機の救済に貢献する人材として求められている。(取材・文 クロイワ正一)

変革期に生まれたビジネスリーダー

 バブル崩壊後の日本経済は「失われた十年」と評された。しかし、そうした変革期だからこそ、歴史に残る経営革新、そしてそれを率いた経営者が生まれた。

 奥田碩トヨタ自動車相談役は、次世代を考慮したハイブリッドカーの開発など、積極的な商品開発、市場開拓に臨み、国内外のシェアの拡大を実現した。御手洗冨士夫キヤノン会長は、事業部門の選択と集中を徹底し、セル方式による生産システムを整備するなど、効率的な経営を実現した。

 丹羽宇一郎伊藤忠商事会長は、巨額の赤字を抱えながらも、大胆な経営刷新によって巨大商社を再生させた。鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス会長は、コンビニエンスストアを日本に持ち込み、...(もっと読む

留学生の採用実績企業は23%、国籍問わず優秀な人材を採用
グローバル展開の課題は「リーダー育成」と「ダイバーシティ」
人材流出と人材不足が最優先で対応すべき企業リスクに浮上

日本人材ニュースHRN」は人材採用・人材育成の人事専門誌です。