先月末から公開された「エヴァンゲリヲン新劇場版・破」は、10日間で100万人を動員。
ファンとして再度、魅了された。
社会現象となるのも当然だと思う。

2009年6月末に封切られた「エヴァンゲリヲン新劇場版・破」を観た。誠に私的な感想であるが、傑作である。テレビで見ていた主人公である少年・碇シンジの体温が、今回の劇場作品では、2度ほど上がっている。熱血が通うことによって、「エヴァンゲリヲン」は、日本の正統派アニメとして再評価される予感がする。


SFではなく、日本神話としてのエヴァンゲリヲン。
日本を創った神様達が活躍する古事記をご存じだろうか。その内容は、驚愕するものが多い。例えば、天照大御神が、天の岩谷戸に籠もった理由。弟である須佐之男命(すさのおのみこと)の傍若無人なふるまいに怒ったからなのだが・・・。その蛮行とは、姉である大御神の食堂にうんちをまいたり。機織り小屋に、皮をはいだ馬を投げ込んだり。機織女の性器を突いて殺したり。半端じゃない。今なら放送禁止である。

日本は、どうして生まれたのか。創造主である、神とは、どういうものか。日本神話には、それが書かれている。しかし、その内容とは、上記のように、不条理で、非合理で、凶暴で・・・とんでもない。物事の起源を辿るとは、このような混沌に分け入ることだ。人間が共通に持っている無意識を引きずり出して、答えの出ないものに、答えを出そうとすることだ。・・・という意味において、「エヴァンゲリヲン」は、サイエンスでもなく、フィクションでもなく、まさしく日本神話である。


エヴァは、「人間のあるまじき力」を可視化したもの。

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