人は褒めると伸びる
そのことについて反対する人は少ないと思います。
ですが褒め方にも種類があって、部下育成にはその使い分けを十分にしなくてはならないのです。

「褒めて育てよ、とオグラさんは言うけど、ウチの場合褒めたくても褒める所が無いんです。レベルが低いのかな」

自社課長への管理職研修を見学していたB社長がボヤきます。

「それは、社長御自身に『テレ』があるからでしょう」

人を褒めて育てる効能について異論を唱える人はいません。
自分の子供を「ダメ」と決め付ければ本当に出来が悪くなる。
逆に「天才だね」と頭を撫で続ければ才能が花開く。
しかし日本人特有の奥ゆかしさゆえ、わかっていても実行できない人がほとんどなのが現状です。私はB社長に言いました。

「上手に褒めるにはコツがあります。『褒め方の三段階』を御存知ですか?」

一段階目は「声をかける」、
二段階目は「中間を褒める」、
そして三段階目は「叱って褒める」。

この3ステップを相手に応じて使い分けるのです。

一段階目の「声をかける」は相手を選ばず誰にでも有効な方法。

「おはようAさん。おっ、新しいネクタイだね!」
「お疲れ、Bさん!昨日は遅くまで頑張ってたね」

と呼び掛けるやり方です。
ポイントは一人一人彼・彼女だけの独自な何かを見つけ話しかけること。

万人に通じる「よお!元気?」という挨拶では心に響きません。
私はミンナではなくアナタを見ているよ、と合図を送るのです。
これをコーチングの世界ではアクノリッジメント(存在承認)と呼びます。
できてもできなくても、いつもあなたの存在を認めていますよ、という合図です。

そして二段階目は「中間を褒める」。
完璧にできてから褒めるのでは、褒めるチャンスはごくわずか。
そうではなく、部下が仕事を開始したら褒める、質問してきたら褒める、半分できたら褒める。
そう、中間成果を捉えるのです。


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