――3曲目の「ミス・レイディ」は、ライブをイメージしやすい曲ですね。

高橋:そうですね。ライブの後半辺りで、こういう曲がすごくブワー!って盛り上げてくれるんじゃないかな、というイメージを持って作っていったんです。歌詞も「私の方が正しいのよ!」みたいな(笑)。自分は結構ネガティブというか、後ろ向きな方だから、「『私が正しい』なんて、そんなこと言えません」という感じだけど(笑)、歌詞の世界だと自分も強くなれたりするから、そういう意味で。

 ヴォーカルを録る時、プロデューサーさんから「ベティちゃんみたいな感じにしようよ」と言われて。私の中でベティちゃんは“エロかわいい”みたいな感じだったから、「エロかわいいのかなあ?自分に無いなぁ…」と思って(笑)。とりあえず歌詞を書く期間、夜中にずっとベティちゃんのモノクロのアニメを観たんですよ。そしたら結構、自分の思っていたベティちゃんのイメージと違っていて、彼女はすごく無邪気でかわいかったりするんですよね。

 女の子って多分、自分がしちゃった失敗なのに、それに対してすごくイラっとしちゃったり、「なんで私はツイてないんだろう?ウゥー!」となるようなことってあると思うんですよ。男の人もあるかもしれないけど、女の子がそれをすることで更にかわいさが増すというか。そういう所がもっと出ればいいかなと思って、「モテますように!」と思って歌いました。

――「あたしの街、明日の街」はまさにリアルな自分が描かれていると思いますが、「ミス・レイディ」のように自分には無いキャラを書く機会も増えていますか?

高橋:基本、リアルなことしか書けないので、自分のことばかりになっちゃうから、いつも世界が狭くなっちゃうんですよ。だから、今回「この人をイメージしてみたら」ということができたのは、書いていてもすごく楽しくて。「私がベティちゃんだったら、この時なんて言うだろう?」みたいな想像がすごく楽しかったので、今後も何か。最近、女の子のイメージをするのは楽しいですね。

――自分の歌詞の世界観を広げるために、何か新しいことを吸収したり、努力していることはありますか?

高橋:最近は本より、映画ばかり観ているんですけど、これからちょっと時間ができそうなので、図書館にも通ってみようかなと思っていて。

――映画はDVDで?

高橋:DVDを借りたり、時間があったら映画館にも観に行ったり。たまに、すごく朝早く、「なんで学校も無いのに、こんなに早く起きちゃったんだろう?」という時は、早めの時間だと結構空いていたりするから、ブラっと近くの映画館に行ってみたり。東京は、それができますよね!そこがいい所だなと思います。色々な所に色々な情報が落ちているから、自分から外に出て行くと、本当に何でも得ることができる。地元にいた時はもう、そんな歩いて行ける距離に映画館なんて無かったので、「都会だなぁ!」と思います。

――逆に、「東京のここはちょっと…」と思うことはありますか?

高橋:すごくありきたりな話をしちゃうと、やっぱり夜とか東京の街はすごく寂しいイメージがあって。私の地元って冬になると、暗くなってから結構、流れ星が流れるんですよ。そういうのがいつも傍にあったから、もう星も見えないし、でも街はすごく綺麗だし。それって、ある意味ちょっと寂しいかな。

――10代最後の年に、やっておきたいことはありますか?

高橋:二十歳までにやっておかなければいけないことって、たくさんあると思うんですね。…って、そんなに考えてないんですけど(笑)。例えば、東京タワーに行くとか。

――東京タワーは、10代最後じゃないとダメですか?

高橋:10代の内に登る東京タワーと、20代になってから登る東京タワーって、ちょっと違うと思うんですよ。そういう意味でも、あれ行ってみたいとか見てみたいと思ったことは、今の内にやっておきたいと思いますね。そろそろリストアップしないとなぁ、と思うんですけど(笑)。