開幕からわずか4試合で辞任したランスのギィ・ルー監督（68）の後任として、昨シーズン、ストラスブールを率いたジャン＝ピエール・パパン（43）の就任が決まった。27日に記者会見で明らかにされた。

　パパンは、フランス代表のエースストライカー（54試合、30得点）として活躍した往年の名選手。黄金時代のマルセイユに6シーズン在籍、185ゴール（244試合）を叩きだし、1988年から1992年にかけて5シーズン連続でリーグ・アンの得点王に輝いた。1991年にはバロン・ドール（欧州年間最優秀選手）を獲得している。その後、ACミラン、バイエルン・ミュンヘンでもプレーした。

　フランスではJPPの愛称で親しまれる国民的スター。パパンの得意技だったバイシクルキックは、パパン（Papin）の名をとって「パピナード（papinade）」と呼ばれているほどだ。

　監督としてのパパンは、アマチュアのアルカションを2年間率いたあと、昨季ストラスブールの監督に就任。チームはリーグ・ドゥ（2部）の3位に食い込み、今シーズンの昇格を果たした。しかしジネステ会長との確執を理由に辞任し、これまで再就職先が決まっていなかった。リーグ・アンのクラブを指揮するのは初めてとなる。

　レキップ紙によると、パパン新監督は記者会見で「非常にやる気を感じさせるチャレンジ。1部残留ではなく、上位を目指す」と抱負を語った。ルー監督下のスタッフは維持し、新たに2人を加える。選手については、レギュラーの入れ替えも考えているという。現在はまだ勝ち星がなく18位に低迷するランスだが、昨シーズンのレンヌ（序盤は下位でスタートしたが4位に食い込んだ）を手本に、じわじわと順位を伸ばしていくのが目標だ。

　ランスでのデビュー戦は30日に行なわれるUEFA杯予選2回戦第2戦のBSCヤングボーイズ戦。その後、9月2日のニース戦でリーグ・アンでの初采配をふるう。