22日に行なわれた国際親善試合のドイツ代表戦に出場したイングランド代表MFデイビッド・ベッカムは、アメリカからの長旅がパフォーマンスに影響を及ぼすかとの質問に対し、「現時点ではまったく問題ない」と答えた。

　代表通算97試合目となったドイツ戦でフル出場を果たし、アメリカへの帰路についたベッカムは、所属先のロサンゼルス・ギャラクシーで木曜日に行なわれるリーグ戦に出場する可能性を示唆するなど、鉄人ぶりをアピール。アメリカ移籍の際には、長距離移動によるコンディション不良の不安が囁かれたが、この元イングランド代表キャプテンは、引き続き代表のユニホームを纏い続けると誓っている。

「今のところ、アメリカからの移動が問題になることはないよ。もちろん、将来的にはどうなるか分からないけどね。今後もまったく影響がないと言えば嘘になるだろう。でも、今は問題ない。必要とされる限り、代表ではプレーを続けるつもりさ。最近は、ピッチに立つたびにトライアルを受けている気分だよ。長旅の影響を受けるだろうという声が聞こえてくるけど、僕はそれが間違いだって証明したいんだ。それには、いいプレーをして、勝利に貢献するしかない。そういう意味で、ドイツ戦で負けてしまったのは残念だったけど、90分間プレーできたことは素直に嬉しかったよ」

　ドイツワールドカップ終了後にスティーブ・マクラーレンがイングランド代表監督に就任して以来、代表招集を見送られ続けていたベッカム。しかし、ユーロ2008予選で窮地に立たされた代表監督は、今年6月に行なわれたブラジルとの親善試合でベッカムを初招集。以来、代名詞とも言える高精度クロスは勝利に貢献し続け、今やイングランド代表の攻撃陣には欠かせない武器となっている。アメリカ移籍を機に、「移動時間の長さはベッカムの代表キャリアを縮めるだろう」と再び限界説も囁かれているが、“鉄人”ベッカムにとっては、そんな批判の声も新たなモチベーションのひとつにすぎないようだ。