リーガ開幕を今週末に控え、どのチームも最終調整に余念がない。昨シーズン、優勝の行方は最終節までもつれにもつれこんだが、今シーズンもレアル・マドリー、バルセロナ、セビージャ、バレンシアの4強に、アトレティコ・マドリー、ビジャレアル、サラゴサが優勝争いに絡み、リーガを盛り上げてくれそうだ。

　昨シーズンの覇者、レアル・マドリーは美しいフットボールのためにカペッロ前監督を切り、シュスター監督を招聘。ぺぺ、サビオラ、デュデク、メッツェルダーに加えスナイデル、ドレンテを獲得し、顔ぶれも変わったが未だチームを試している段階で、明確なスタイルが見えてこない。とはいえ、優勝候補であることには間違いない。

　自滅により優勝のチャンスを逃したバルセロナの王座奪回に懸ける意気込みな並々ならぬものがある。弱点と言われたポジションの的確な補強で各ラインともに充実した選手層を誇ることになった。特に、ロナウジーニョ、エトー、メッシにアンリが加わった攻撃力は世界屈指と言ってもいい。そして、ボージャン、ドス・サントスといったカンテラの至宝達もトップチームでプレーできる実力を見せつけている。

　セビージャもその力が一過性ではないことを証明。19日のスペイン・スーパーカップ第2戦ではサンティアゴ・ベルナベウで5得点と昨シーズンのリーガ王者レアル・マドリーを粉砕。今シーズン初タイトルを獲得。チャンピオンズリーグ予選でもAEKアテネ（ギリシャを破り、ヨーロッパ最高の舞台でも十分に戦っていける実力を示している。

　昨シーズンは故障者続出に苦しんだバレンシア。今年も地味な補強でチームの底上げを図る。ビージャ、シルバ、チームにようやくフィットしたホアキン、アルベルダとスペイン代表クラスの選手を多く抱えるバレンシアはチャンピオンズリーグ予選、エルフスボリ（スウェーデン）戦でもチーム力を証明。ケガ人さえ出なければ優勝を狙えるチームであることは間違いない。

　この4強に絡んで来るのはアトレティコ・マドリー、サラゴサ、ビジャレアルといったチームだろう。生え抜きのフェルナンド・トーレスをリバプールに放出したが、今夏も派手な補強で選手層はバルセロナやレアル・マドリーにひけをとらない。トーレスの後がまとなるフォルランとU-20ワールドカップで優勝、MVP、得点王に輝いたアグエロの2トップに期待。今年こそはファンの期待に応えてくれそうな気配を見せている。

　サラゴサはディフェンスの要ガビ・ミリートを放出したが、アジャラを獲得。ミランからオリベイラをレンタルで獲得。得点力のアップに期待がかかる。UEFAカップ出場という目標を達成したサラゴサの今シーズンの目標はチャンピオンズリーグ出場圏内だろう。

　昨シーズン終盤戦での8連勝でUEFAカップ出場圏内に食い込んだビジャレアル。フォルランが移籍し、リケルメの去就問題はクリアになっていないものの、ロッシ、マブバ、カプテビーラらを獲得。ケガで昨シーズンを棒に振ったニハトも復帰し、チーム力は上がったと言ってもいい。

　“マルカ”のウェブアンケート「優勝候補筆頭はどのチームか？」では、レアル・マドリー24.88％、バルセロナ48.12％、セビージャ6.08％、バレンシア8.23％、アトレティコ・マドリー8.58％、サラゴサ2.95％、ビジャレアル1.16％、という結果がでた。

　今週末、待ちに待ったリーガが開幕する。補強、これまでの実績から見るとバルセロナが頭一つ抜きん出ている感もあるが、始まってみないと分からないのがリーガ。昨シーズン以上に混戦となる可能性も十分にある。上記のチームはどんな戦いぶりを見せてくれるのか、期待大だ。

(スペイン通信)