2007-08シーズンに向け選手補強に奔走するレアル・マドリーだが、今現在、明るいニュースは入ってこない。しかし、逆に残留を目標にするバチスタにとっては追い風となっている。チェルシーのミヒャエル・バラックに断られ、アヤックスのウェズレイ・スナイデルの獲得も厳しいという状況に、放出リストに名前の上がるバチスタの残留の可能性が高まりつつある。

　バチスタの練習に取り組む姿勢、これまでの数試合でのバチスタのプレーに満足しているシュスター監督は、中盤の補強が進まない現状にバチスタに懸けるつもりであるという。同監督は「バチスタを移籍させないで欲しい」とミヤトビッチ・スポーツ・ディレクターに要請。

　しかし、ここでも難関が待ち受けている。バチスタは放出によって移籍金が見込まれる唯一の選手であることから、ミヤトビッチSDがシュスター監督の要請を飲むことはそう簡単にはいかないということだ。コパ・アメリカでの活躍、25歳という年齢はバチスタに興味を示すクラブにとって魅力的な存在でもあるのも確か。

　そのバチスタの希望はレアル・マドリーに残留すること。レンタルで出て行く気持ちはないのはもちろんのこと、プレシーズン合流後、シュスター監督からの信頼に手応えを感じているとも明かしている。

　バチスタの移籍先を探し続けるクラブ側、残留を希望する選手、そして監督。補強がうまく進まないレアル・マドリーにとってはジレンマだろう。どのような結論に達するのか、それは今後の補強が成功するかにもかかってくる。

(スペイン通信)