マンチェスター・ユナイテッドのFWオレ・グンナー・スールシャールは、ウェストハムから加入が間近のFWカルロス・テベスについて、「素晴らしい選手を獲得できた」と称賛を送った。

　いまだマンU移籍の手続きが完了せず、シーズン開幕までに選手登録が間に合わない可能性も危惧されているテベス。それでも、今週末には加入が正式発表される予定の23歳について、同じFWのスールシャールは、その移籍を歓迎。この若きアルゼンチン人ストライカーの加入で、FWのポジション争いはさらに熾烈を極めることになるが、34歳のベテランFWはチームの戦力アップを純粋に喜んでいるようだ。

「僕はこのクラブで11年間プレーしてきた。その間、数多くの素晴らしい選手を見てきたものだ。クラブが能力の高い選手を獲得したときは、やっぱり僕ら選手も嬉しいものだよ。カルロスの登録が出来る限り早い段階で決着するよう祈っているよ。ウチのクラブがあれほど頑張って獲得に動いたんだ。カルロスは本当に素晴らしい選手だよ」

　テベスの加入が正式決定すれば、次に注目を集めるのがその起用法。エースストライカーのウェイン・ルーニーと快速2トップを組む可能性が高いが、一部専門家からは両選手のスタイルが酷似しているため、前線で並べるのは得策ではないという意見も聞こえてくる。それでも、マンUで12年目を迎えるスールシャールは、90年代に黄金期を築いたチームの2トップを例に挙げ、ルーニー&テベスのコンビ実現を後押しした。

「そもそも、この世に全く同じ能力を持った選手が2人存在することはあり得ない。みんな、それぞれに特徴を持っているんだ。90年代のチームには、アンディ・コールとドワイト・ヨークという2人のFWがいた。彼らもプレースタイルが似ていて、2トップを組んでも機能しないと言われていた。だけど、結果はどうだ？　2人の活躍は振り返るまでもないだろ？」

　自らの出場機会を制限しかねない新戦力の獲得にも、チームが得るメリットを冷静に分析するスールシャール。34歳でヒザの手術に踏み切りながら、アレックス・ファーガソン監督が手放そうとしないことからも、その貢献度の高さがうかがえる。“世界最高のスーパーサブ”との呼び声も高い童顔のストライカーは、新加入のテベスにとっても心強い存在となるはずだ。