パリ・サンジェルマン（PSG）のMF、ジェローム・ロテン（29）が、2008年までの契約を3年間更新した。PSGの公式ホームページが26日に伝えた。レキップ紙によると、ロテンはリヨンのほか、フィオレンティーナ、シャルケ04、PSVアイントホーフェンから誘いを受けていた。中でも、チェルシーに移籍したマルダの穴を埋める左サイドとして、リヨンが熱心に獲得を狙っていたとされる。

　ロテンにとってリヨンのペラン新監督は、リーグ・アンのデビューを飾ったトロワでの恩師。PSGに愛着を感じるロテンではあったが、首脳陣から熱意ある意思表示がないまま、リヨンから好意的な誘いを受け、気持ちが揺らぐこともあったという。

　しかし25日になって、「ジェロームは我々が高く評価している選手。テクニックもさることながら、彼のチームへの愛情、献身に価値を見出している」というPSGのケイザック会長がロテンを呼び出し、契約更新のオファーを出し、ロテンもすんなり受け入れた。

　昨シーズンはラコンブ監督との確執から、前半戦の多くをベンチで過ごしたロテン。ル・グエン監督に交代してからは、レギュラーに復帰し、プレーだけでなく精神面でもチームを引っ張った。選手に厳しいことで有名なPSGサポーターもロテンの熱血ぶりを高く評価した。

　首脳陣、選手、サポーターが一体となって2部降格の危機を乗り越えたことが、ロテンに「自分にはパリジャンの魂がある」と感じさせる愛着を育てたと言っていい。ただしおそらくは、層の厚いリヨンで常時出場できるとは限らないという計算も働いたはず。チームメイトのDFアルマンがリヨンから熱心な誘いを受けながら結局残留を決めたのも、同じ理由と見られる。