「磐越道バス事故」鑑定留置が続く運転手の自宅に「生い茂る草木」と30数万円の「請求書」
磐越道バス事故の翌日に過失運転致死傷容疑で逮捕された運転手、若山哲夫容疑者(68)。事故前夜に、ズボンがずり下がり、下着が見えたままよちよち歩きで歩く姿が目撃されていたことは既に「週刊新潮」が報じている。逮捕から5カ月、現在はどのような様子なのか。容疑者当人は身柄を拘束された状態が続くなか、その主なき自宅を訪れると、土蔵が併設されている民家に置かれた軽自動車は、荒れ放題の草木に埋もれている。家屋にも人の手が入った様子はうかがえない。住処はいま、廃屋寸前といえば大げさだが、近隣住民が不快感を示す対象になっているという。そこにはどういうわけか、「請求書在中」と記された自動車修理業者からの封筒も放置され……。

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【写真を見る】「気味が悪い…」 近隣住民が恐れる若山容疑者の自宅のいま
引き続き鑑定する必要
GW最終日の5月6日、福島県郡山市の磐越道で起きた痛ましい事故。老運転手の暴走の果てに、新潟市にある私立北越高校のソフトテニス部員の一人が命を落とし、17人が重軽傷を負った。
「痛ましい報せから4カ月を経て、鑑定留置3カ月延長の発表がありました。当初は5月22日から9月14日までの約3カ月半の予定でしたが、期限の14日、福島地検郡山支部は、12月14日までの延長を発表。“刑事責任を判断するため、引き続き鑑定する必要がある”との理由です」
と、社会部デスクが語る。
「若山は逮捕後、福島県警の調べに対して“運転や体調に不安はなかった”と供述していました。ですが、“やっぱり刑事責任が問えるかどうか、怪しかったんじゃないか”と、若山の存在がクローズアップされています。惨事を引き起こしたのはバス会社『蒲原(かんばら)鉄道』と北越高、そして旅客運送に必要な二種免許を持っていなかった若山ら、全員による“杜撰な運行”が原因だったと断言できます」
蒲原鉄道と北越高の言い分は真っ向から対立し、蒲原鉄道は高校側からレンタカーや運転手の手配を依頼されたと主張し、高校側はこれを否定。以降、両者は沈黙を続けている。
もう待ちきれない
こうした状況に、ソフトテニス部OBの保護者は憤りを隠さない。
「大人たちが責任のなすり合いをしただけで、なにも解決していないんです。部員やその保護者の多くが“事故が風化しつつある現状に不満や怒りを抱えている”と訴え続けている。一方で、感情のはけ口が見当たらない状態でもあります」
怪我を負った部員の保護者と定期的に会ってはいるものの、かける言葉がないという。
「当日バスに乗っていた部員たちは、運転の荒さに怯えながらも支え合おうとしていました。蒲原鉄道とのあいだにどんな経緯があったにせよ、学校側は、わが子を若山容疑者のような運転手のバスに乗せた。しかも容疑者は、事故の2カ月ほど前から物損事故を5回も繰り返していたのです。痛風や糖尿病を患っていたとか、その薬の服用でボーッとなることがあったという話もありますが……」
実際はどんな状況だったのか、それがまったく聞けぬまま4カ月が過ぎてしまった。鑑定留置の結果、起訴されれば少しは若山容疑者の様子や供述内容が知れると期待していたら、さらに3カ月の延長。もう待ちきれない。これが、ソフトテニス部員やOB、そして保護者たちの思いなのである。
草ボウボウ
別のOBの保護者が、胸の裡を明かす。
「事故から3カ月の時期に、地元紙に“容疑者の親族語る”という記事が出て(8月6日付新潟日報)、親族男性が“運転を引き受けた時点で本人の責任。罪を償ってほしいし、自分も償うつもりだ”などと話していました。若山宅の電気料金の支払いについてやりとりしたともあったので、親族からなら若山の様子を聞けるかもしれないと考え、思いきって胎内市内の若山宅を訪れたのです」
ところがその家は、荒れ果てていた。
「新聞に“親族として誠心誠意対応していきたい”と書いてあったので、誰もいなければ、若山の様子や言葉を知りたいといった旨を記した手紙でも置いてこようと思いまして。ところが郵便受けもなく、玄関はおそらく鍵がかかっていなかったのでしょう、つっかい棒で開かないようにしてある始末でした」
こうした状態がどれほど続いているのかを近隣住民に話を聞くと、
「5月中ごろ、地域の民生委員の方が“誰か、若山さんの親族をご存じないでしょうか”と周辺で聞いていましたね。私は知らなかったのでなにも伝えられませんでした。で、ちょっと見に行ったら玄関先にはチラシなどが散乱していました。4カ月経ったいまはもう、ご覧の通り。草ボウボウの状態です。親族の方には、せめて草刈りだけでもしてもらいたいですよ。夜に通ると、なんだか気味が悪くてねえ」
「相殺してほしい」
そう語る近隣住民は、つい最近になって玄関先付近で封筒を見つけた。〈若山哲夫様 請求書在中〉とある。差出人は新潟県内の自動車修理業者だ。
請求書を出した経緯について、業者が語る。
「あくまで客と業者の関係だけでしたが、十数年来の付き合いがありました。彼はバス事故5日前の5月1日、高速道路の路肩に止まっていた乗用車に追突する物損事故をやらかした。3月ごろに自分の車で事故って、それを修理するあいだに貸した代車で、です。代車を3回もぶつけ、警察から運転免許の返納を促されていましたし、私も、もう運転しないほうがいいと言っていたんです」
追突事故を起こした1日の夜、若山容疑者から電話がかかってきた。
「ようやく返納する決心がついたようで、“修理してもらった車を手放すので、これまでの修理や代車にかかった費用と相殺してほしい”。こんな依頼をされました。ですが相殺しようにも10万円ほど足りない。若山さんにはそう伝えました」
そして、あのバス事故が起きた。
「事故後に若山宅まで行って車を見たら、修理したはずのバックライトは傷ついているしサイドミラーもぶらぶらしていた。5月1日の事故後も乗っていたんです。とてもではないけれど、相殺は10万円じゃきかない。30数万円は必要なので、その旨を記した請求書を置いてきました。これが5月下旬のことです。請求書が4カ月もそのままということは、親族の方にも見ていただけていないんですね……」
刑事責任能力の有無にかかわらず、若山容疑者が生涯をかけてバス事故の贖罪をすべきなのは言うまでもない。が、請求書の精算も時間がかかりそうだ。
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デイリー新潮編集部
