【解説】日銀が3か月ぶり利上げ…政策金利1.25%に 家計・物価・為替への影響は?
日本銀行は、金融政策決定会合で政策金利を引き上げることを決めました。ことし6月以来3か月ぶりの利上げで、これまでのおおむね半年ペースと比べ、速い利上げペースとなりました。日本テレビ経済部・日銀担当の安藤翔キャップが解説します。
■政策金利1.25%に引き上げ 家計への影響は

──政策金利が1.25%に引き上げられたということですが、家計へはどう影響してくるのでしょうか?
みずほ総合研究所の調査では、家計全体への影響を1世帯当たりに換算すると、全体の平均で年間6000円収入が増えるとされています。普通預金や定期預金の利子収入が増えることなどで、全体としてプラスの影響が見込まれているんです。
──メリットもありますが、デメリットはありますか?
はい。「住宅ローン」など負債を抱える世帯に限定すると負担が増えます。
全体の平均では年間マイナス1万9000円。そして20代ではおよそ5万円と、若い世代ほど負担が大きくなる見込みです。これは多くの方が政策金利と連動する「変動金利」で住宅ローンを借りているため、変動金利が上がることで返済額に占める利息分の割合が高くなるためです。
■利上げで物価が下がる仕組み

──なぜ日本銀行は、前回の利上げから3か月でまた利上げをしたのでしょうか?
この利上げは今後、「物価が上がり過ぎるのを防ぐ」狙いがあります。いま、中東情勢や円安の影響で日本の物価は上がり続けています。日銀はさらに物価は上がるとみているのですが、大幅に上がり過ぎないように利上げを行いました。
──なぜ利上げで物価の上昇を抑えられるのでしょうか?
企業が銀行からお金を借りるときの利率が上がるため、企業がお金を借りにくくなり、経済を冷やす効果があります。また銀行預金の利子も上がることになりますが、利子が多くなれば、手元にあるお金、どうしますか?
──利子が多くなるなら、銀行に預けたくなりますね。
そうですよね。銀行により多くのお金を預ければ利子も多く得られますよね。ですのでみなさんがお金を多く預けると手元のお金が少なくなって買い物を控えるようになります。そうするとモノを買ってもらうために企業がモノの値段を下げざるを得ない。つまり物価が下がる、という効果を狙っているんです。
■利上げしたのになぜ円安に? 今後は政策金利は

──円安も続いていますが、為替はどうなっていますか?
本来は利上げは円高になるはずですが、18日は1ドル157円台を付け逆に円安に振れました。
その要因について、専門家の市川雅浩さんは「今月に入ってから市場では、今回の会合で0.25%の利上げを行うとの観測が急速に広がっていたことから、円高への動きは限定的だった。また市場では、日銀の利上げに積極的な審議委員を中心に利上げのペースを早める動きがでるとの見方もあったが、結果的には想定内の利上げ水準となったことも円安に進んだ要因だ」としています。
──今後は政策金利はどうなりそうですか?
日銀はこの物価の上昇は秋から冬にかけても広がっていくとみていて、その通りになれば、年内か、年明けにもさらに利上げを行う可能性もあります。