入学して間もなく「学校に行きたくない」と訴える娘。母親が直面した子どものSOSと、不登校をめぐる学校とのすれ違いを描いた物語【書評】

【漫画】本編を読む
『娘が小1で不登校になりました 先生が怖くて学校に行けない』(ことり/KADOKAWA)は、小学校に入学後、すぐに学校へ行けなくなった娘と、どうすれば娘を守れるのか葛藤する母親の姿を描いたコミックエッセイだ。子どもが突然「学校に行きたくない」と言い出したとき、親はその言葉をどう受け止めればいいのか。不登校をめぐる親子の戸惑いがリアルに描かれている。
小学1年生になった娘は、真面目で頑張り屋な女の子。ところが入学して間もなく、少しずつ様子がおかしくなっていく。そしてある日、「学校に行きたくない。怒られるから」と泣きながら登校を拒むようになる。母親が詳しい話を聞いていくと、娘の口から出てきたのは「先生が怖い」という言葉だった。無理をさせてはいけないと感じた母親は娘に学校を休ませるが、そこから不登校の日々が始まる。
さらに難しいのが、学校の認識が母親と必ずしも一致しないことだ。娘が感じている「先生が怖い」という思いを伝えても、その深刻さが伝わらない。子どもの言葉を信じたい親と、学校側との間に生じるすれ違いの狭間で、母親は娘にとって何が一番いいのかを懸命に探していく。
学校へ行くことは大切だ。しかしそれ以上に大切なのは、子どもが安心して毎日を過ごせることである。本作は不登校に対する「正解」を示すのではなく、子どもの小さなSOSに耳を傾け、ともに答えを探していくことの大切さを訴える。特にこれから小学校入学を控える子どもがいる人に手に取ってほしい作品だ。
文=練馬麟
