アーセナル戦に先発した鈴木。(C)Getty Images

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 今夏にパルマからアストン・ビラに移籍した日本代表GK鈴木彩艶が、8月31日に開催されたプレミアリーグ第2節のアーセナル戦で新天地デビュー。プレミアリーグに出場した史上初の日本人GKとして歴史に名を刻んだ。

 アストン・ビラは開幕節のブライトン戦で0-4の大敗を喫していたため、鈴木にとって厳しいデビュー戦になると予想されていた。今夏、チームは11人もの新戦力を獲得しており、まだ互いに連係を深めている段階だ。これは安定した守備陣を背後に置きたいGKにとって、決して理想的な状況ではない。

 しかも、デビュー戦の相手は昨季のプレミア王者アーセナルだ。リーグ屈指の強豪であるだけでなく、セットプレーの強さでも知られている。対戦するGKにとっては、常に大きなプレッシャーにさらされることになる。

 実際、鈴木は序盤、アーセナルのセットプレーへの対応に苦戦した。デクラン・ライスが蹴った最初のCKに対して果敢に飛び出したものの、ボールに触れるには難しい位置で、結果的に手元を乱してしまった。幸い、ガブリエウ・マガリャンイスがこのボールを上手くヘディングできなかったため、日本人GKは難を逃れた。

 異なるリーグでの初戦、しかも相手はアーセナル。これだけの条件が重なれば、戸惑うのは当然のことだろう。しかし試合が進むにつれて徐々に落ち着きを取り戻した。
 
 そしてキックとボール配給は非常に印象的だった。足もとのプレーは終始落ち着いており、自信を持ってボールを扱っているように見えた。また正確なフィードはイングランドの解説者からも称賛された。なかでも、29分に左サイドのジョージ・ヘミングスに繋いだ鋭く正確なロングキックはイングランドで非常に高く評価されている。

『SKY TV』でこの試合の解説を務めた元イングランド代表DFであり、マンチェスター・ユナイテッドのレジェンド、ギャリー・ネビルは「今まで見たゴールキーパーのキック中で最高のパスの一つ」と絶賛した。

 こうしたプレーを見れば彼が昨季のセリエAでロングパスの成功数2位だったことも、納得できる。そして彼はキックだけではない。鈴木はデクラン・ライスのヘディングシュートを好セーブで凌ぐなど、セービング能力の高さも随所に披露した。

 結局59分にブカヨ・サカにゴールを許してチームは0-1で敗戦。しかしプレミア王者を相手に失点を1点に抑えたことを考えれば、決して悪いデビューではなかった。今後、試合を重ねるにつれてプレミアリーグに適応し、チームメイトとの連係も深まっていけば、さらに安定したパフォーマンスを見せられるはずだ。