【河野 嘉誠】【独自】パワハラ辞職の横浜市長が「まさかの再出馬」模索…対抗馬に元JAL整備士・予備自衛官の「超異色弁護士」が急浮上

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職員への複数のパワハラが認定された山中竹春市長の辞職に伴う、10月18日投開票で行われる横浜市長選挙。各陣営が候補者選定を進める中、地元経済界が中心となり、大手企業の社外取締役などを歴任する、原澤敦美弁護士の擁立に向けて動いていることが筆者の取材でわかった。

自民党横浜市議団なども支援する可能性がある。山中氏は再出馬について「全く未定」と含みを持たせてきたが、有力候補が浮上してきた中で、改めて進退をどう判断するかが問われそうだ。

自立公が擁立に動く「超異色弁護士」の正体

自民党・立憲・公明の各政党は、山中氏が2選目を果たした2025年の横浜市長選において、支援した経緯がある。山中氏のパワハラ問題に一定の責任を負うことから、候補者選定には政党色を前面に出さず、地元経済界が中心となって動いている。こうした中で浮上したのが、原澤氏だったという。

自民党横浜市連関係者は、取材に対して「他の政党も相乗りして、一緒になって推せる候補が望ましい」とした上で、大手企業などの社外取締役などを歴任し、コンプライアンスなどの領域も専門分野とする原澤氏が有力候補になっていることを認めた。原澤氏本人にも出馬の意志を問う質問状を送付したが、期日までに回答はなかった。

そんな原澤氏とは、一体どんな人物なのか。本人のホームページ上のプロフィールによると、1992年に、慶義大院理工学研究科修士課程を修了後、日本航空に入社。専門分野を生かし、航空機の整備士などの技術者として活躍。2009年に早大法科大学院を修了し、弁護士に転身後は、ローソン銀行の社外監査役や川崎汽船の社外取締役などを多数務めている。知的財産やコンプライアンスなどに詳しい。一等航空整備士の資格を持つほか、予備自衛官としても活動しているという。

横浜の経済界が、次期市長候補として、原澤氏のようなコンプライアンスの専門家を求める背景には、現職市長の深刻なパワハラ問題があったからに他ならない。

そもそも山中氏のパワハラ問題は、今年1月に当時の人事部長が告発し、表面化した。7月に公表された第三者調査では、7項目の言動がパワハラと認定。

山中氏は職員を怒鳴ったり、書類を投げつけたりしたほか、意図的に無視することもあったという。さらに、「ポンコツ」「人間のクズ」「おばさん」といった人格否定をするような発言も繰り返されていた。報告書は山中氏の「人権への配慮が欠如」していると指摘した。

山中氏を支援した「ハマのドン」の周辺は…

こうした中、前回市長選で山中氏を支援した自民、公明、立憲民主の3会派も辞職を要求。当の山中氏は追い込まれたあげく、28日に辞職表明会見をした。しかし、そこでも、再出馬に含みを持たせていた。現在、どうしているのか。

「後援会の幹部が一様に、『身を引くべきだ』といっている中、2021年の横浜市長選でカジノ反対を掲げ、山中氏を支援した横浜港ハーバーリゾート協会元会長・藤木幸夫氏(藤木企業)の息子さんたちは同情的でした。さらに、後援会長の横浜医師会会長は『かわいそうじゃないか』と言う始末。山中氏本人も、市長を辞めた後に、仕事のあてがあるわけじゃないので、“出直し出馬”に含みを持たせている。『(山中氏の擁立に中心的な役割を担った)藤木企業が顧問先を見つけて、身を引かせるべきだ』という声も出ています」(山中氏周辺)

しかし、パワハラ市長に対する国際社会の目線は厳しく、9月に横浜市が主催する「アジア太平洋循環型都市フォーラム」を巡っても、国内外から「人権問題として注視している」という声が寄せられ、山中氏は出席を見送った。

横浜市で来年開幕する国際園芸博覧会(花博)への影響も懸念される中、再出馬などせずに身を引いてもらうことが重要です」(同前)

そもそも横浜市立大教授だった山中氏は、新型コロナに関するデータ分析などを研究していたとされる。カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致が争点となった2021年の横浜市長選に、立憲民主党の神奈川県連が擁立し、党本部も推薦。事実上の「野党統一候補」となり、菅義偉総理(当時)の側近だった小此木八郎元国家公安委員長などを破り、初当選した。

「立憲の江田憲司氏が中心となり、カジノ誘致に反対し、横浜の政財界に強い影響力を持つ“ハマのドン”、藤木会長と協力し、山中氏を支援した。しかし、のちに報道で表面化しますが、山中氏を巡っては、当時から横浜市立大時代の部下へのパワハラが取り沙汰されており、懸念の声があがっていました。案の定、横浜市役所でも同じことが繰り返されたわけです。

その後、昨年の市長選では、自民や公明まで相乗りして支援したわけですが、やはり『勝てる候補だからいい』というのでは、結局は市民のためにならない。資質を欠いた人が市長になってしまうと今回のような大惨事になる。主要政党は教訓とすべきでしょう」(立憲民主党神奈川県連関係者)

果たして、山中氏はそれでも“出直し再出馬”に踏み切るのか。そして、約1ヵ月半後の市長選で、横浜市民はどのような選択をするのか--。

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かわの・よしのぶ/'91年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、『サンデー毎日』『週刊文春』の記者を経てフリーに。主に政治を取材している

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