「結婚式場を探している」と思ったら…日本でも「安楽死」が制度化された未来を描く漫画『終末パートナー』が問いかけること

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安楽死が合法化された世界

2024年に放送されたフジテレビザ・ノンフィクション「私のママが決めたこと〜命と向き合った家族の記録〜」』が、大きな反響を呼んだ。

全身に転移したがんによる耐えがたい苦痛のなか、日本では認められていない安楽死をスイスで選んだ女性と、その家族を追ったドキュメンタリーだ。TVerでは「報道・ドキュメンタリー」部門の歴代最高となる84万回再生を記録し、2025年には「その後」の家族にも密着。安楽死というテーマへの社会的な関心の高さを改めて示した。

一方、安楽死が合法化された社会がどんなものになるのかを、具体的に想像する機会は、まだ多くない。

そんな「もしも」を漫画にしたのが、北村みなみ著『終末パートナー』(KADOKAWA)だ。2026年7月10日に上下巻が同時発売された本作は、安楽死が認められた近未来の日本が舞台になっている。

目を輝かせて「会場探し」をする要ちゃんと、やや押され気味なパートナーの纏くん。どこから見ても「結婚式場」選びにしか見えない、幸せそうなカップルが探していたのは、安楽死をするための「葬式会場」だった。

単に「死ぬことを選ぶ」という問題ではない

高齢化社会の日本、年間7500人が「安楽死」を選択する時代、要はよりよく「送る」ための「安楽死プランナー」になった。

安楽死を望む「お客様」のために、土日を返上して、「最後に食べたいもの」を探し、「着たい葬儀用の衣装」にまで余念のない要は、お客様のより良い最後に真摯に寄り添おうとしている。

しかし、上司からは「入れ込みすぎるな」と釘を刺される。そして、腑に落ちない表情の要に、「自分で死を選ぶに至った人間の心を他人にどうこうできると思うか」と問いかける。

安楽死とは、単に「死ぬことを選ぶ」というだけの問題ではない。

安楽死制度・法律・社会的議論について情報を発信する「RiP:D」によれば、安楽死は、耐えがたい苦痛や壮絶な不快感を抱える患者の死期を早める行為の総称で、「積極的安楽死」「消極的安楽死」「間接的安楽死」に分類される。

『終末パートナー』が描くのは、日本では現在違法とされている、医師が薬物投与などによって意図的に死を引き起こす「積極的安楽死」が制度として認められた世界だ。

「自分の最期を、自分で決められる」。

それは、苦痛から解放されるための救いなのか。残された人間からはどう見えるのか。

◇第1話では、「安楽死が当たり前になった社会」の日常が描かれている。

自らの終末を自分で決められる未来は、患者や患者の家族を救うものなのか。問いが始まるのはここからだ。

第2話「『安楽死』が当たり前になった日本で、恋人の申請が通った時…漫画『終末パートナー』が描く『死を選べる社会』のリアル」に続く。

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