どう見ても真剣な“木刀”が話題 塗装だけで生み出す金属感に「そうはならんやろ」

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 布地の上に広げられた何振りもの日本刀の刀身。いずれも真剣のような存在感を放っていますが、実はこれはすべて木製。刃文も光沢もすべて塗装によって再現されているのです。

 どこからどう見ても真剣、金属製にしか見えない「木刀」がXで注目を集めています。

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■ 刀身をそんな無造作に置くなんて危な……え、木刀なの?

 日本刀関連の木工作品を多数手がける「タカハシアオイ」さんがこのほど投稿したのは、大阪で開催していた個展「千夜顕現3」から撤収する際の画像。

 布地の上に日本刀の刀身が何振りも写っており、何も知らずに目にすれば「こんなに無造作に置いて大丈夫……? 危なくない……?」と不安になること間違いなしの光景です。

 しかしタカハシさんのその後の投稿を確認すると、撤収画像に写っていた刀身がすべて「木刀」であると明かされています。……木刀?その見た目で?

 もう一度撤収時の画像をよく見てみても、木製には見えません。拡大してみても完全に金属。

 さすがに動画で見れば木だと分かるか、と思ってタカハシさんの投稿にある動画を確認してみてもやっぱり金属。照明が映り込むほど磨き抜かれた刀身は、木刀には見えません。

 ですが制作過程を見ると完全に木で……見れば見るほど頭が理解から遠のいていきます。

 タカハシさんの投稿には「真剣にしか見えない」「これが木製ってまじか」「そうはならんやろ」などと驚愕する声が続出。中には「実物を持たせてもらうまでしたのに画像がつながらない」と、現物を見てなお信じられない人もいました。

 金属で制作する模造刀とは違い木材で制作していることから、タカハシさんは自身の作品を「模型刀」と呼び表します。

 どのようにしてこの「模型刀」作りを始めたのか、またどのようにして真剣のような「金属感」を出しているかなど、本人に直接お話を伺ってみました。

■ 刃文まで忠実に再現!刀身の金属感は「すべて模型用塗料や車用塗料で再現」

−− どういったきっかけで「木刀」を作り始め、現在の「模型刀」の形にたどり着いたのでしょうか?

 20年前に作った武器が自宅から出てきたため、上司に見せたらウケたのがきっかけです。

 「また作ってみたら」との声に、日本刀にチャレンジしてみたのですが、思ったよりも奥が深く、見様見真似では追求できなかったため、実際に刀を見に行ったりなどして深みにハマったのが初期です。

−− Xのプロフィールには「木刀作るタイプの審神者(※「刀剣乱舞」のプレイヤー)です」とありますね

 「刀剣乱舞」にハマっていたので、「『刀剣乱舞』キャラクターデザイン通りの拵えから、抜刀した時に本物が出てきたら熱いのでは!?」と現実のデザインに落とし込んだ拵えと、本物の原寸大刀身の模倣を作るようになりました。

 実在刀剣のサイズ(長さ・厚み・彫刻など)をすべて忠実に写したら…というのがきっかけです。

−− 「模型刀」はいずれも木刀とは思えないクオリティですが、この金属感は塗装だけで再現しているのでしょうか?

 すべて模型用塗料や車用塗料を用いて塗装しています。

 超有名メーカーや、無名の輸入塗料などはありますが、見た目の刀感は完全に塗装のみです。プラモなどの鏡面塗装と同じように、塗膜を磨いて再び塗ってを複数回繰り返し、金属感を出しています。

−− 刃文(※刀身にある白い波状の模様)まで忠実に再現されてるのがすごいです。

 刃文も刀によっては5層くらいのレイヤーに分けて重ね塗りし、本物に忠実となるよう濃淡をコントロールしています。

 すべてお手本を手元に置いてエアブラシでコントロールし、調整しています。

−− 「模型刀」は一振り制作するのにどれくらいの期間がかかるものなのでしょうか?

 お手本とする刀によっても変わります。

 樋(刀身に沿って入っている彫刻)があれば時間もかかりますし、傷や錆が多いと模倣するのに時間をかけます。

 完成後に気に入らなくて塗装からやり直す事もありますが、だいたい200時間くらいで完成します。

−− 彫刻や傷、錆まで……。

 特徴的な彫刻は、極力同じように手彫りで作り込みますが、コツを掴むと調子に乗って失敗する事があります。たとえば本物と鱗の数が異なる彫刻にしてしまったり……。

−− 金属ではなく、あえて木を使って「刀」を忠実に再現するのはなぜでしょうか?

 加工がしやすいからです!

 表裏ともに、どこまで研磨したかがわかるように、あえて集成材(ベニヤ板)を使っています。

 とにかく実在刀剣の寸法に忠実にすべく、ノギスで厚みを測りながら研磨し、薄くても崩壊したり反ったりしないように、樹脂や溶剤でコーティングした上で、姿を再現しようとしています。

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 写真や動画では何度見ても金属製としか思えない、タカハシさんの模型刀。投稿をさまざま見てようやく「本当に木なんだ……」と受け入れることができますが、それでもどうしても信じられないという方はいるでしょう。

 タカハシさんは個展「千夜顕現」をはじめ、各種イベントにも出展しているようなので、どうしても信じられないという方は、現地に足を運んでみるのもよいかもしれません。

<記事化協力>
タカハシアオイ 8/12-16大阪個展 さん(@wonderhero001)

(ヨシクラミク)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By ヨシクラ ミク | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2026082302.html