広州市で開催されたイベントに設置されたゲームのブースで記念撮影を楽しむコスプレ姿の若者ら(7月17日)=田村美穂撮影

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 中国が自国製のゲームやアニメの輸出に力を入れている。

 ゲームの輸出額は2025年に204億ドル(約3兆2500億円)と10年前の約53億ドルから4倍になった。生産や輸出を後押しする中国政府は、官民一体でソフトパワーを強化し、「コンテンツ大国」を目指す考えだ。(上海支局 田村美穂)

スマホ向け

 7月中旬、広東省広州市でゲームとアニメを紹介する大規模イベントが開かれ、コスプレ姿の若者が集まった。日本でも人気の中国ゲーム「アークナイツ」の人気キャラに扮(ふん)した広東省東莞市の梁蔚彬さん(19)は「中国ゲームは特殊効果で映像がきれい。スマートフォンで気軽にどこでも遊べる良さもある」と強調した。

 中国産のアニメやゲームは、中国の長い歴史や文化に興味を持つ外国人に人気だ。科学技術やAI(人工知能)の発展で、特殊効果による映像の美しさもユーザーをひきつける。ゲーム機なしで遊べるスマホ向けの開発に注力しているのも特徴だ。

 著書に「中国ゲーム産業史」がある立命館大映像学部の中村彰憲教授は「西遊記など中国独自の文化や歴史を生かしている」と中国ゲームの魅力を説明する。豊富な人材や開発コスト、技術力がレベルの高いゲームの生産につながっているという。

産業基地 

 中国では元々、ゲームやアニメの人気は日本といった外国製に集中していた。国営新華社通信によると、中国政府は04年頃から、国産のゲームとアニメの開発に力を入れ始めた。06年頃からは輸出も進めた。日本や東南アジアでの人気は年々増加し、中国の業界団体の報告書は「17年には、中国はゲーム輸出大国になった」と主張する。

 最近でも、日本で人気の「原神」や「恋と深空」といったゲームがヒットし、世界での存在感は増している。25年には、アニメ「ナタ2」が、アニメ映画で世界の歴代興行収入1位となった。

 長期的にヒット作品を生み出すため、四川省成都や上海、広州といった都市にはコンテンツ作成の産業基地が作られている。

 「ナタ2」の制作会社などが集まる上海の「環球ACG産業基地」は17年、地元政府らの協力で設立された。これまでに制作会社やIP(知的財産)商品製造会社など延べ約200社が入居し、連携してきた。

 同基地の代表、顔重光さん(46)は「基地内で作品制作や展開に必要な企業が全てそろい、協力できる」と魅力を語った。