プレミア2年目を迎える田中。確固たる地位を築けるか。(C)Getty Images

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 プレミアリーグ開幕を1週間後に控えた8月15日。リーズ・ユナイテッドは本拠地エランド・ロードでドイツのアウクスブルクと最後のプレシーズンマッチを戦い、4-0で快勝した。

 開始わずか50秒で先制したのはアントン・シュタッハだった。3-4-2-1のセントラルMFで先発したのは、主将イーサン・アンパドゥとシュタッハ。日本代表MFの田中碧はベンチスタートとなり、76分からピッチに入った。

 開幕時点の序列を考えるなら、この並びは無視できない。昨季終盤、シュタッハの負傷をきっかけに先発へ戻った田中だが、新シーズンの定位置が保証されているわけではない。

 それでも短い時間で仕事は残した。82分、中盤から田中が通したスルーパスにルーカス・ヌメチャが抜け出し、4点目を挙げる。リーズの公式サイトは「完璧なタイミング」と表現した。先発争いでは一歩後ろにいても、出場すれば違いを作れる。今の田中の立ち位置が凝縮されたようなプレーだった。

 リーズにとって今季は、プレミアに「残留する」ことから「定着する」ことへ進めるかが問われる。

 昇格初年度の昨季は14位。シーズン途中から3バックを軸に守備を立て直し、残留を勝ち取った。そのベースを維持しながら、今夏にフルアムから攻撃的MFハリー・ウィルソン、サッスオーロからCBタリク・ムハレモビッチを獲得。さらにマンチェスター・シティからGKジェームズ・トラフォードをクラブ史上最高額で迎えた。

 ただし、田中に直結する中盤の補強はまだ終わっていない。リーズはサウサンプトンのセントラルMFシェイ・チャールズを追ったが、最終的にフルアムへ移籍。獲得を狙ったドルトムントのユリアン・ブラントもアヤックスを選んだ。

 現状ではアンパドゥ、シュタッハ、ショーン・ロングスタッフ、田中らが中盤の中央を競うが、移籍市場が閉じるまで新たなライバルが加わる可能性もある。
 
 だからこそ、田中は昨季終盤に掴んだ場所をもう一度、自分の力で奪わなければならない。

 昨季のプレミア挑戦1年目は平坦ではなかった。リーグ戦で28試合に出場して2得点。チェルシー戦では鮮やかなミドルを突き刺し、続くリバプール戦では後半アディショナルタイムに劇的な同点弾を奪った。エランド・ロードでは昨季から続くチャントが響き、サポーターからの愛情も変わらなかった。

 しかし、貴重なゴールを挙げたリバプール戦は、田中が抱える難しさを象徴する試合でもあった。ダニエル・ファルケ監督は相手の3点目につながった場面について、「アオが前に出て、ギャップを開けてしまった」と苦言を呈した。