定位置は保証されていない。リーズで熾烈な競争。田中碧は昨季終盤に掴んだ場所をもう一度、奪わなければならない【現地発】
開始わずか50秒で先制したのはアントン・シュタッハだった。3-4-2-1のセントラルMFで先発したのは、主将イーサン・アンパドゥとシュタッハ。日本代表MFの田中碧はベンチスタートとなり、76分からピッチに入った。
開幕時点の序列を考えるなら、この並びは無視できない。昨季終盤、シュタッハの負傷をきっかけに先発へ戻った田中だが、新シーズンの定位置が保証されているわけではない。
リーズにとって今季は、プレミアに「残留する」ことから「定着する」ことへ進めるかが問われる。
昇格初年度の昨季は14位。シーズン途中から3バックを軸に守備を立て直し、残留を勝ち取った。そのベースを維持しながら、今夏にフルアムから攻撃的MFハリー・ウィルソン、サッスオーロからCBタリク・ムハレモビッチを獲得。さらにマンチェスター・シティからGKジェームズ・トラフォードをクラブ史上最高額で迎えた。
ただし、田中に直結する中盤の補強はまだ終わっていない。リーズはサウサンプトンのセントラルMFシェイ・チャールズを追ったが、最終的にフルアムへ移籍。獲得を狙ったドルトムントのユリアン・ブラントもアヤックスを選んだ。
現状ではアンパドゥ、シュタッハ、ショーン・ロングスタッフ、田中らが中盤の中央を競うが、移籍市場が閉じるまで新たなライバルが加わる可能性もある。
だからこそ、田中は昨季終盤に掴んだ場所をもう一度、自分の力で奪わなければならない。
昨季のプレミア挑戦1年目は平坦ではなかった。リーグ戦で28試合に出場して2得点。チェルシー戦では鮮やかなミドルを突き刺し、続くリバプール戦では後半アディショナルタイムに劇的な同点弾を奪った。エランド・ロードでは昨季から続くチャントが響き、サポーターからの愛情も変わらなかった。
しかし、貴重なゴールを挙げたリバプール戦は、田中が抱える難しさを象徴する試合でもあった。ダニエル・ファルケ監督は相手の3点目につながった場面について、「アオが前に出て、ギャップを開けてしまった」と苦言を呈した。

