花巻で大谷翔平の高校時代を辿るご当地グルメ旅。勝つと食べたチョコバナナクレープや「サンマー焼きそば」も

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真夏の風物詩、全国高等学校野球選手権大会が始まりました。高校球児の聖地、阪神甲子園球場を舞台に、今年も熱戦が繰り広げられています。まずは、選手はじめ全ての関係者の皆さんが、この酷暑を乗り越えられることを願うばかりです。先週からスタートした、大谷翔平選手ゆかりの「ご当地グルメ”旅歩き”」。今週は大谷選手が高校時代を過ごした花巻市に出没したいと思います。彼は花巻東高校(通称、はなとう)1年生の時に夏の甲子園に出場しました。残念ながら初戦で敗れたものの、この時期になると、暑い暑い甲子園を思い出すのではないでしょうか。では早速、花巻市のご紹介から。

560席の「花巻の奇跡」、マルカンビル大食堂でカツナポリタン

大谷選手が高校時代を過ごした花巻市(JR花巻駅)

岩手県南部に位置する花巻市は、宮沢賢治(1896年-1933年)のふるさととして知られており、広大な花巻温泉郷でも有名です。大谷選手が育った旧水沢市からは電車でおよそ30分。自宅の近くに、野球の名門校があったのは、歴史の偶然だったのか必然だったのか。いまや、花巻東高校は、賢治や温泉に並ぶ、地元の誇りになっているのではないでしょうか。今年も「はなとう」は甲子園に出場します。実に4年連続14回目の出場。東北2校目の優勝目指して頑張れ!

大谷選手ゆかりのご当地グルメ、最初にご紹介するのは、『マルカンビル食堂(花巻市)』です。市の中心部にある、レトロなビルの中にあります。もともとは、1973年に「マルカン百貨店」として開業したビルですが、惜しまれながら2016年6月に閉店しました。その際、6階にあった食堂も一緒に店を閉めましたが、多くのファンの声やクラウドファンディングの力で、2017年2月に「マルカンビル大食堂」として復活しました。

マルカンビル

では、早速伺いたいと思います。1階にはお土産屋さんなどがあるようです。エレベーターで6階に降りると、驚きの景色が広がります。まず目に飛び込んでくるのは、100近い料理を並べた巨大なサンプルケース。

マルカンビル食堂

そして足を進めると、目線に入りきらないほど広い食堂が現われます。席数は、何と560席。

しかも、そのほとんどが埋まっています。この食堂が「花巻の奇跡」と呼ばれるのも納得します。窓際の席に座ると、懐かしい箸立てが出迎えてくれました。我々世代にはうれしい、卓上のおみくじ器もあります。割烹着姿の女性スタッフも印象的で、まさに昔のデパート食堂はこんな感じでした。

マルカンビル食堂(箸立てと卓上おみくじ器)

昭和感満載!と思ったら、注文は今どきのQRコードからのスマホ。そのギャップもまた面白いですね(笑)。ポチっとしたのは、同店の名物で、一番人気のカツナポリタンです。トンカツとナポリタン、ありそうであまりない組み合わせに、ワクワクします。

マルカンビル食堂(カツナポリタン)

ほどなく料理が到着。ひと口食べると、想像していた味に、1ミリも違わぬおいしさで、思わず笑ってしまいました。これはもう、神業かも知れません(笑)。

マルカンビル1階(チョコバナナクレープ)

人口9万人弱の花巻市に、560席の食堂があるわけですから、大谷選手も訪れたに違いありません。そして、1階のお土産コーナーの片隅には、大谷選手が試合に勝つと食べたと言われる、チョコバナナクレープが冷凍で販売されています。もともとは、別の店舗で販売されていたそうですが、レシピを引継ぎ、「マルカンビル」で提供されるようになったとか。自然解凍で、30分ほどで食べ頃になりますので、皆さまもぜひデザートにどうぞ!

真上にサインが輝く特等席で、大谷選手の好物「サンマー焼きそば」を食す

続いてご紹介するのは、花巻駅と大谷選手の母校「はなとう」の丁度真ん中くらいの場所にある、『一品香(いっぴんこう、花巻市)』です。訪問当日は雨。ホテルから出かけるのに勇気がいりましたが、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を思い出しながら傘を片手にお散歩です。お店に到着したのは18時ごろ。大谷選手の巡礼もあってかすでに満席です。カウンターがたまたま空いており、席につきます。その席は「はなとう」の先輩で、同じく大リーグで活躍する菊池雄星選手や大谷選手も座ったとされる特等席のようです。真上には2人のサインもありました。

一品香

店内に流れる地元ニュースでは、大谷選手の今日の活躍がオンエアされています。その映像を見ながら、彼も通ったお店で飲むビールは、やっぱりサイコーすね。最初にいただいた料理は、酢豚(中)です。失礼ながら、これがなかなか本格的で美味しかったです。

一品香(酢豚)

続いていただいたのは、大谷選手の好物と伝わる「サンマー焼きそば」です。こちらのお店には横浜名物の「サンマー麺」もあります。なんでも、マスターが横浜で修業していたご縁のようです。どちらを食べるか悩みましたが、女将さんから、「サンマーの餡がお好きだったと思います」と言われ、よりダイレクトに餡を味わえそうな焼きそばにしました。女将さん、ご馳走さまでした。

一品香(サンマー焼きそば)

麺坦品の「チャチャ系ねぎそば」と、花巻東高校で出会ったまぶしい朝

最後にご紹介するのは、一品香よりもさらに「はなとう」近くにある『麺坦品(めんたんぴん、花巻市)』です。いただいたのは、大谷選手も食べたと伝わる「チャチャ系ねぎそば(醤油味)」です。ねぎは京都九条ネギを使用しているとのこと。なるほど、京都の名店、「新福菜館本店」や「本家第一旭本店」にも似た濃いめの味わいで、個人的にはとても好みのラーメンでした。

麺坦品

麺坦品(チャチャ系ねぎそば)

帰り際、「花巻東」の名入れジャージを着た体育会系の女子高生2人がお店に入ってきました。こんなふうに、大谷選手もふらっとのれんをくぐっていたのかもしれません。

翌日はやっと晴れ、我が愛車で「はなとう」に向かいました。ただ、今日は風が強い。自転車にとっては雨も風も難敵ですが、今日は「風ニモマケズ」で頑張ります。

花巻東高校

8時ごろ、「はなとう」に到着。まるで大学のような立派な校舎がそびえています。すぐ隣には大谷選手も住んだ「雄風寮」もありました。この日は練習試合があるようで、朝から学校の周辺は賑やかです。こんな怪しげなおじさんにも、学生さんたちが元気よく、「おはようございます!」。なんかまぶしいくらいでした。野球グランドの近くには、数々のモニュメントがあります。

菊池選手と大谷選手の2021年オールスター選出モニュメント

大谷選手2023年MVP&ホームラン王モニュメントと我が愛車

グランドでは、試合前の守備練習が行われていました。キビキビとした外野と内野の連携プレー。将来の菊池選手、大谷選手を目指して頑張って欲しいですね。

花巻東高校野球部の練習風景

今日は、大谷選手が高校時代を過ごした花巻を巡礼しました。

雨ニモマケズ(観光ポスター)

賢治の「雨ニモマケズ」には、次のような一節もあります。「丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋(いか)ラズ イツモシヅカニワラッテヰル (中略) サウイフモノニ ワタシハナリタイ」。意訳すれば「屈強な体を持ち 欲張らず 決して怒らず いつも静かに笑っている、そんな人に私はなりたい」ということでしょうか。そう考えると、まさに大谷選手は、賢治が描いた理想の人物のように感じられます。100年の時を経て、言葉と人、そして土地の記憶がつながる、そんな発見をした花巻の旅でした。

文・写真/十朱伸吾

おとなの週末Web専属ライター。全国のご当地グルメを求めて40年余。2013年には、“47都道府県食べ歩き”を達成した。訪れた飲食店は1万軒をゆうに超える。旅と食とお酒をこよなく愛するオプチミスト。特にビールには一家言あり。競馬と写真とゴルフも趣味。週1の自転車ツーリングとサウナでダイエットにも成功した。好きな言葉は「発想力は移動時間に比例する」。

【画像】カツナポリタン、チョコバナナクレープ、サンマー焼きそば…大谷翔平ゆかりの花巻でグルメ旅(16枚)