定年後は充実した生活を送りたいため、地域活動への参加を考えています。町内会の役員を引き受けると、謝礼や活動費を受け取れる場合もあるのでしょうか?
町内会の役員を引き受ける前に知っておきたい待遇
町内会や自治会の役員には、謝礼や役員手当が支給される場合があります。ただし、すべての町内会で支給されるわけではありません。町内会は、地域の住民が自主的に運営する任意の団体です。
そのため、役員への支給額や支給方法について全国共通の決まりはなく、それぞれの町内会が規約や予算に基づいて決めています。
参考までに、龍ケ崎市が令和3年3月に公表した、「住民自治組織(区・自治会・町内会等) に関するアンケート調査報告」(調査期間:令和2年9月11日~10月30日、調査対象者: 市内179の住民自治組織の代表者)によると、回答した住民自治組織の77.2%が代表者や役員などに報酬を支払っていました。
代表者への年額報酬は「1万円以上5万円未満」と「5万円以上10万円未満」がそれぞれ約3割です。
一方、報酬を設けず、無償のボランティアとして活動している地域もあります。このように、謝礼の有無は地域によって異なるため、住んでいる地域の町内会長や現役の役員に確認するのが確実です。
町内会役員に関する支給の仕組み
役員に支給されるものには、主に「役員手当」と「活動費」があります。
役員手当は、会長や副会長、会計などの仕事に対して支給されるものです。年に一度まとめて支給される場合もあれば、月ごとに支払われるケースもあります。
活動費は、役員活動で生じた費用を補うために支給されるものです。例えば、会議に出席するための交通費や資料のコピー代、連絡に使った電話代などが該当します。
例えば、京都市が紹介する伏見区の町内会では、役員の実費負担を軽くするため、総会で承認を得たうえで、会長に5000円、副会長などに2000円の手当を支給しています。
ただし、「活動費」という名称でも、実費を精算する場合と定額で支給する場合があります。そのため、名称だけでは判断せず、何に対する支払いなのかを確認しましょう。
また、役員手当は町内会費から支出されることが多いため、規約や総会で承認されているかも重要です。あわせて、金額や支給基準が明確にしておけば、会員から不公平だと思われるリスクも抑えられるでしょう。
町内会役員を始める前に確認しておきたいこと
町内会の役員を引き受ける際は、謝礼の金額だけでなく、仕事内容や活動時間も確認しましょう。会長は行政との連絡や会議の進行、住民からの相談対応などを担います。
会計には町内会費の管理や決算書の作成、班長には回覧板の管理や会費の集金を担当するのが一般的です。また、地域によっては防災訓練や祭り、清掃活動の準備に携わることもあります。
謝礼が支給されても、仕事内容に比べれば少額であるケースが一般的です。そのため、収入を得る目的だけで役員を引き受けるのではなく、活動日数や自分の体力、家庭の予定を含めて検討する必要があります。
また、税金にも注意しましょう。役員手当などが所得に当たる場合、収入から必要経費を差し引いた金額が雑所得などとして扱われる可能性があります。雑所得は、ほかの所得と合計して所得税を計算します。
ただし、役員への謝礼として支給されたのか、実際にかかった交通費などを精算したのかによって、税務上の扱いは変わります。
また、所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要になる場合があります。謝礼を受け取ったときは、支払金額が分かる書類や領収書を保管し、不明点があれば自治体の税務窓口や税務署に確認しましょう。
町内会役員を引き受けるかは、生活の充実も含めて判断しよう
町内会の役員には、謝礼や活動費が支給される場合があります。ただし、支給の有無や金額は町内会ごとに異なり、無報酬の地域もあります。
役員を引き受ける前には、手当の有無だけでなく、任期や仕事内容、会議の回数、行事への参加頻度を確認することが大切です。前任者に年間の予定を聞けば、実際の負担を具体的にイメージできるでしょう。
町内会活動は、大きな収入を得る手段にはなりにくいものの、地域の人とのつながりをつくり、生活に新しい役割を加える機会になります。無理なく続けられる役割を選べば、定年後の経験や知識を生かしながら、充実した毎日につなげられるでしょう。
出典
龍ケ崎市 住民自治組織(区・自治会・町内会等)に関するアンケート調査報告書
京都市文化市民局地域自治推進室 活動事例集 町内会費に係るルール -役員に手当を支給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

