株式会社パーソル総合研究所は、「AI環境における人材とマネジメントに関する定量調査」を実施した。その内容を一部抜粋して紹介する。

本ニュースのサマリー 正規雇用者の生成AI利用率は54.3%、半年で12.4pt増加 性年代別では低利用層ほど伸びが大きく、利用格差は縮小の傾向 AI活用が進むほど、業務・組織課題が顕在化 AI活用が進むほどに、業務課題も組織課題もともに全体的に大きくなっている AIヘビーユーザーの約3割が「人よりAIに話すほうが気楽」 AI活用が進むほど「上司よりAIに相談」が増加 同じAIヘビーユーザーでも「メタ・スキル」が高いと業務成果は最大3.6倍差 AI利用者はインプット型学習行動に傾く

正規雇用者の生成AI利用率は54.3%、半年で12.4pt増加

正規雇用者の生成AI業務利用率は2025年10月の41.9%から2026年5月には54.3%へと+12.4pt増加。週4日以上のヘビーユーザーが15.6%→21.1%(+5.5pt)、週1~3日のミドルユーザーも16.1%→20.7%(+4.6pt)と、利用頻度の高い層ほど伸びが大きかった。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

性年代別では低利用層ほど伸びが大きく、利用格差は縮小の傾向

役職別でも管理職層は軒並み+10~17pt増加した。一方、専門職・エキスパート職のみ35.2%→35.7%(+0.5pt)とほぼ横ばいで、全属性の中で伸び悩みが目立った。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

AI活用が進むほど、業務・組織課題が顕在化

AI活用時における業務課題は、「欲しい回答を得るために、指示を何度も出し直すことがある」「業務の前提や背景を、生成AIに入力するのが負担である」が上位であった。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

組織課題は、「AIの教育・サポートが正式な業務や評価に位置づけられていない」「データが部署ごとに分断され、横断利用しづらい」「手順が人ごとに異なり、例外が多い」が3割を超え、上位だった。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

AI活用が進むほどに、業務課題も組織課題もともに全体的に大きくなっている

業務課題では指示の出し直しや社内ルールによる使いにくさ、組織課題では旧システムとの連携困難や推進チームの情報が現場に落ちにくいなどの課題が特に大きくなった。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

AIヘビーユーザーの約3割が「人よりAIに話すほうが気楽」

「人よりAIに話すほうが気楽」は、ヘビーユーザーでは31.6%に達し、ライトユーザーの20.1%に比べ、大きく差がある。AI利用は、利用者を対人コミュニケーションから遠ざける可能性が示唆される。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

AI活用が進むほど「上司よりAIに相談」が増加

メンバー層に対して、AIと上司を比較したときの評価を尋ねたところ、「情報処理・整理ができる」「相談する頻度が多い」「学びや学習について支援してくれる」について、AIヘビーユーザーほど「AIのほうがあてはまる」と回答する割合が高い傾向にあった。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

同じAIヘビーユーザーでも「メタ・スキル」※が高いと業務成果は最大3.6倍差

同じAIヘビーユーザーでも、メタ・スキルの低い層と高い層で比べると、仕事のやり方の見直し、成果水準向上、業務スピード向上などの点で、高い層は3.3-3.6倍の成果を創出している。

※メタ・スキル:本調査における「メタ・スキル」とは、AI活用において成果につながる「集める(構造的整理)」「決める(優先順位づけ)」「確かめる(実地検証)」「壊す(レジリエンス)」「蓄える(組織知の更新)」といった能力の総称。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

AI利用者はインプット型学習行動に傾く

AI継続利用群※は、この半年で「AIの使い方・活用に関する学習」を筆頭に、「趣味の読書」「勉強会・セミナー参加」などが増加した。

一方、アニマル・スピリットと正の関係にあった「資格取得」「副業・兼業」などは減少し、学習行動の重心が「実践型」から「インプット型」へややシフトしている。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

AIを使い続けても、人間の「独自のひらめき・野心」は育たない

※アニマル・スピリットが高い層ほど、早い時期からAIを活用している。その一方で、追跡調査として2025年調査時点からAIを継続的に利用している人の半年間の変化を見ても、アニマル・スピリットの上昇はほとんど見られない。

※アニマル・スピリットとは:本調査では、AI時代において人間に求められる「閃く力」や、失敗を恐れず新しいアイデアへ飛び込む「野心・直感的な行動力」のことを指す。

画像:株式会社パーソル総合研究所 2026年7月22日 プレスリリースより引用

調査概要

■調査名称:パーソル総合研究所 「AI環境における人材とマネジメントに関する定量調査」
■調査内容:
・就業者における生成AIの利用実態と経年変化を明らかにする。
・AI環境において成果を出す「個人・マネジメント・組織」の特徴を明らかにし、組織が打つべき施策の示唆を得る。
■調査対象:
スクリーニング調査:全国の就業者 n=20,000、本調査:正規雇用者 n=3,300、本調査は、2025年10月調査回答者の追跡調査(継続群)と、新規サンプル調査(新規群)で構成。内訳は以下の通り
スクリーニング調査は、労働力調査に基づく全国就業者の性別×年齢(10歳階級)構成比で割付。
■調査手法:調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
■調査時期:生成AI利用群:2025年10月24日 - 10月26日/生成AI非利用群:2025年10月27日 - 10月28日
■実施主体:株式会社パーソル総合研究所

ニュース情報元:株式会社パーソル総合研究所