高格付け社債のひとつエヌビディア(C)ロイター

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【マネーの教科書】#113

円安は止まらず、ドルベースの日経平均株価は下落…海外勢の利益確定売りは今後も続く

 米国債の利回りが上昇している。10年物米国債の利回りは3月に3.9%まで下落したが、その後は上昇が続き、現在は4.5%程度だ。

 米国債は「世界で最も安全な資産」といわれ、多くの投資家に利用されている。しかし、ロイターの記事によると、最近の物価上昇や財政悪化によって投資家の米国債離れが進み、代わりに米国の最優良企業の社債に資金が殺到しているという。

 国内のネット証券でも米国の社債は購入できる。どの程度の利回りが得られるのか。SBI証券でチェックしてみると、アップル(格付けAA+)、エクソンモービル(同AA-)、エヌビディア(同AA)など、日本でもおなじみかつ高格付けの社債が並んでいる。

 社債は企業が資金調達のために発行する債券で、発行元の企業が破綻すれば利子支払いや元本の償還(返済)が滞る可能性がある。そのため、格付けの高い債券を選ぶのが重要となる。米国債格付けは現在AA+だから、前述の企業の社債は米国債と同程度の信用度があるといえる。その上で利回りは社債の方が上回っている。

 現在、満期まで2年程度の米国債を買う場合、利回りは3.9〜4.0%程度だ。それに対し、同程度の期間の社債の場合、4.2%程度の利回りが得られる。

 問題は為替リスクだ。現在のドル円相場は162円程度で、社債を購入後に円高になれば、利益が目減りするし、為替水準によっては、元本割れすることもある。投資する際には、どの程度の為替レートで元本割れになるのか、損益分岐点をチェックしておきたい。

 たとえば、アップルの社債は満期までの期間2年11カ月で利回りは4.159%。この社債の場合、損益分岐点となる為替レートは1ドル=144.84円だ。この水準より円高が進まなければ、元本割れしない。

 日本企業の米ドル建て社債もある。たとえば、三菱UFJフィナンシャル・グループの社債(同A-)は、期間1年2カ月で利回りは4.240%。損益分岐点の為替レートは154.31円だ。住友商事は期間2年11カ月で利回りは4.350%、損益分岐点の為替レートは146.57円。

 株式相場の先行きが不透明ないま、資産の一部を外貨建て社債で運用するのもいいかもしれない。

(向山勇/ジャーナリスト)