金正恩氏(朝鮮中央テレビ)

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北朝鮮の朝鮮中央通信は11日、朝鮮労働党と政府、軍の幹部を集めた「党・政・軍連合会議」が10日に平壌で開かれ、人民軍総政治局の前組織副局長、パク・フィチョル氏の特大型汚職事件が取り上げられたと報じた。会議では犯罪内容が公開され、最高裁判所による判決が発表された後、金正恩総書記が自ら事件を総括する演説を行った。形式上は政治的な会議であるものの、実質的には金氏が「公開裁判」を主導した形となった。

同通信によれば、パク氏は人民軍総政治局で組織・人事を担当する要職にあり、党中央軍事委員会は6月末に不正腐敗容疑で立件を決定。その後、党中央委員会総会で党指導機関からの召還と司法機関への引き渡しが決められ、最高裁判所が審理を実施したという。

注目されるのは、北朝鮮当局が問題視した内容である。発表では、横領収賄だけでなく、「組織権と人事権を悪用」したことが繰り返し強調された。

さらにパク氏について、「あらゆる権柄と専横を極め、自分に対する特別な幻想を振りまき」「腹心と追従者を重要職制に配置して党の唯一的軍指導体系の確立を阻害した」と断罪した。

「自らへの特別な幻想を振りまいた」との表現は特に注目される。北朝鮮では、忠誠の対象は最高指導者ただ一人でなければならず、一幹部が自らを中心とする人的ネットワークを形成することは、単なる汚職ではなく政治問題として扱われる。

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また、「腹心と追従者」を重要ポストに配置したとの指摘は、売官売職そのものよりも、人事権を利用して軍内部に独自の権力基盤を築いたことを問題視したものとみられる。発表文では、こうした行為が「党の唯一的軍指導体系」を阻害したと位置付けられており、最高指導者による軍統制への挑戦と受け止められた可能性が高い。

実際、金総書記も会議の結語で、「党の規律建設路線に挑戦した政治的犯罪」であり、「国家と人民の利益を侵害した故意的な着服行為、窃取犯罪」だと強調した。不正蓄財以上に、「政治的犯罪」という性格付けが前面に押し出された格好だ。