ダッフィーのぬいぐるみが1000円→13万円に!

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 物価高で家計がじわりと圧迫される中、家の中に眠る不用品が、思わぬ“金脈”になるケースが増えている。実家の押し入れに放り込まれた玩具、学生時代に集めたカード、昔のゲームソフト--。本人にとってはガラクタ同然でも、市場では驚くような値がつくこともあるのだ。
◆遺品整理で消えかねない思わぬ高額お宝たち

 フリマアプリ最大手メルカリが発表した「2025年版 日本の家庭に眠る“かくれ資産”に関する調査」によると、家庭内で1年以上使われず保管されている不用品、いわゆる“かくれ資産”は国民一人あたり約71.5万円。国内総額では約91兆円にのぼる。23年調査よりも一人あたり20万円近く増えており、“不用品インフレ”とも言える状況が起きている。

「一番もったいないのは、価値がある物までまとめて処分してしまうことです」

 そう語るのは、家財整理や不用品回収を手掛けるCLSハマリユース代表で、“お片付けの何でも鑑定団”の異名を持つ田廣隆光氏だ。

 特に危ないのが、遺品整理や実家じまいだという。

「解体業者さんに『全部お願いします』と頼んでしまうケースも多いのですが、その中に高額品が紛れていることは珍しくありません。処分前に一度査定を入れるだけで、状況が大きく変わることもあります」

 実際に、田廣氏は数多くの家庭から数十万円、ときには100万円を超えるお宝を発掘してきた。その“目利き力”を磨いてきた場所が、全国数百〜1000カ所以上あるとも言われる、古物商免許を持つ者だけが参加できるプロの競り場「古物市場」だ。その古物市場でも、同氏の“目利き力”は同業者から一目置かれているという。

 例えば、大量のぬいぐるみが山積みにされたバルクセールのカゴの中から、田廣氏だけが“ある一点”に目を留めた。1000円で落札し、ヤフオクに出品したところ、最終的に13万2000円まで値段が跳ね上がった。

「ただのクマのぬいぐるみに見えましたが、実は“ダッフィー”という名前がつく前の“ディズニーベア”時代の初期限定モデルでした」(田廣氏)

◆鉄くずも玩具も化ける、目利きだけが知る真価

 さらに驚くのが、“鉄くず”扱いされていた部品だ。解体業者が持ち込んだ、誰も見向きしなかった25キロ近い鉄の塊を5000円で購入したのだ。

「『三菱重工株式会社 名古屋発動機製作所』という刻印が見えた瞬間、ピンときました」(田廣氏)

 実は旧日本軍戦闘機のエンジン関連部品の可能性が高く、丁寧に磨いて出品したところ、36万円で落札された。

 また、真っ黒に汚れたロボット玩具を10万円で購入した際には、周囲の同業者から「なんでそんな物を買うんだ」と笑われた。しかし、その正体は初期版『トランスフォーマー』の超希少セット。最終的には148万円で売れた。

◆40代男性宅がまさかのお宝発掘スポットに

 そんな田廣氏が「お宝発掘率が高い場所」と語るのが、意外にも“普通の40代男性”の自宅だという。資産家ならいざ知らず、一般家庭にお宝が眠っているとは、にわかに信じがたいが、「特に40代後半くらいの男性宅にうかがうと、“お宝探し状態”になる確率が非常に高い」と断言する。

 理由は、彼らが1980〜90年代カルチャーに触れて育った世代だからだ。しかも、当時のコレクションを捨てずに放置しているケースが多い。

 40代男性宅に眠っていそうなお宝の代表例が、「ビックリマンシール」「カードダス」「ゲームソフト」「週刊少年誌」などだ。

 こうした品々はノスタルジーのまま所蔵していたり、忙しさや家庭の事情で整理できないなどで価値に気づかないまま放置されてしまう場合が多い。

「昔の『週刊少年ジャンプ』はすごいですよ。『ドラゴンボール』や『ワンピース』の初回掲載号は、数十万円、ものによっては数百万円クラスになることもあります」