フロレンティーノ・ペレス政権時代、レアル・マドリーの役員を努めていたエミリオ・ブロラゲーニョがスペインのTV番組で、当時監督だったビセンテ・デル・ボスケを追い出したのはミスの一つだったと認め、さらに、この冬の移籍マーケットでロナウドをACミランに売り渡したのも“大きな損失だ”と自身の見解を示している。

 ブトラゲーニョは、元レアル・マドリーの選手であり、現役引退後は古巣レアル・マドリードへフロント入りし、スポーツ・ディレクターとしてチームの強化を担当していたが、 2006年には会長の交代により同クラブを退団している。

「ロナウドは、一人で試合を決定づけることができる選手。ピッチ内のどんな場所でボールを受けてもゴールを決めることのできる数少ないフォワードだ」。

“世界で最も決定力のあるフォワード”。ロナウドについてそう評したブトラゲーニョ。カペッロ監督就任後、太り過ぎやケガを理由に出場機会が減り、監督との確執から活躍の場を求めACミランに移籍したロナウドの移籍を残念がり、ミスだと示唆。

 そして、レアル・マドリーでの副会長を努めていた際、当時のデル・ボスケ監督をクビにしたことも「ミスだった」と認めた。4年間で7つのタイトルをクラブにもたらした監督をあっさり追い出したことについて、「時が経つにつれて正しいものとは言えなくなった決断だった。彼は優れた人物だったし、ビセンテで続けていれば、違った結果が生まれていただろう。しかし、クラブはそう決断を下した。その後、(カルロス)ケイロスでレアル・マドリーは最後の2ヶ月まではうまくプレーしていた」と当時を振り返った。

 ブトラゲーニョが改めて告白した通り、レアル・マドリーはここ数年に渡って犯してきたミスで大きな代償を払うことになった。クラブはこのあまりにも痛い教訓を今後に活かしていくしかない。

 現チームについては「輝くようなプレーはできず、勝つために苦しんでいる」と評しているが、一時は閉ざされたリーガ優勝への扉が再び開かれている。どんな形であれ3シーズンぶりのタイトルを手にすれば、ここ数ジーズンでの悪夢を払拭し、かつてのレアル・マドリーの姿を取り戻すきっかけになるのは確かだろう。

(スペイン通信)