今季のリーガには、リーガを引っ張るリーダー的なチームが不在だ。バルセロナは首位に立っているとはいえ不安定な戦いを続け、得るべき勝ち星を逃し、そのバルサのつまづきを他のチームが活かしきれていない。どのチームも不安定な戦いぶりを見せ、29節を終えた時点で首位バルセロナから5位のバレンシアまで上位5チームが勝ち点差6内にひしめきあうという結果となっている。ここ数シーズンにあったリーガを引っ張るチームがいないまま終盤戦まできてしまったということだろう。

 首位に立つバルセロナだが、ここ2シーズンのような圧倒的な強さは鳴りを潜め、不安定な戦いぶりを見せている。サラゴサ戦での敗戦で首位固めに失敗。逆に優勝争いのライバルとの勝ち点差が縮まった。

 バルサが敗れ、首位返り咲きのチャンスを得たセビージャだが、ホームで痛恨のドロー。チャンスを逸した。上位陣の中で唯一リーガ、国王杯、UEFAカップと3つのコンペティションを戦うセビージャ。日程的にも一番キツイところだ。

 バルセロナとの“クラシコ”以降リーガ3連勝。今季残された唯一のタイトルであるリーガ優勝に向け、毎試合ファイナルのつもりで挑んでいるR・マドリーは今のところ結果を出している。

 リーガ後半戦では6勝4分、負けなしと好調のサラゴサ。バルサとは6ポイント差だが、前節ではそのバルサを破り4位に浮上。残り9節で安定した戦いぶりを見せれば逆転優勝の可能性もある。R・マドリー同様、リーガ1本に集中できるのはメリットと言える。

 チャンピオンズリーグとリーガを戦うバレンシアは前節ビルバオに敗れ、5位に後退したものの首位とは6ポイント差。チャンスは残されている。

残り9節、上位5チームの対戦カード

<1位:バルセロナ・勝ち点56>
マジョルカ(H)、ビジャレアル(A)、レバンテ(H)、R・ソシエダ(A)、ベティス(H)、アトレティコ(A)、ヘタフェ(H)、エスパニョール(H)、ナスティック(A)

<2位:セビージャ・勝ち点55>
バレンシア(A)、ビルバオ(H)、エスパニョール(H)、R・マドリー(A)、レクレアティーボ(H)、デポルティーボ(A)、サラゴサ(H)、マジョルカ(A)、ビジャレアル(H)

<3位:R・マドリー・勝ち点54>
ラシン(A)、バレンシア(H)、ビルバオ(A)、セビージャ(H)、エスパニョール(H)、レクレアティーボ(A)、デポルティーボ(H)、サラゴサ(A)、マジョルカ(H)

<4位:サラゴサ・勝ち点50>
ナスティック(A)、セルタ(H)、オサスナ(A)、ラシン(H)、バレンシア(A)、ビルバオ(H)、セビージャ(A)、R・マドリー(H)、レクレアティーボ(A)

<5位:バレンシア・勝ち点50>
セビージャ(H)、R・マドリー(A)、レクレアティーボ(H)、デポルティーボ(A)、サラゴサ(H)、マジョルカ(A)、ビジャレアル(H)、レバンテ(A)、R・ソシエダ(H)

 ちなみに“マルカ”がネット上で行ったアンケート『どのチームがリーガ優勝すると思うか?』の結果ではR・マドリーが43.57%の得票率を集め、バルサを抑えトップに浮上。バルサは38.64%に留まった。以下サラゴサ7.28%、セビージャ6.24%、バレンシア4.27%という結果が出ている。R・マドリーのここ最近での調子と結果がアンケートの結果に反映された形となったようだ。

 5チームによる大混戦のリーガ優勝争い。優勝争いは混戦のまま最終節までもつれることになるだろうし、どのチームにもチャンスはあると言えるだろう。

(スペイン通信)