欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝のローマ戦を4日に控えたマンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督は、敵地で迎える第一戦でアウェイゴールを奪うことが準決勝進出へのカギを握ると語った。

 ファーガソンは、決勝トーナメント一回戦でフランスのリヨンを撃破したローマの戦い方に注目。老将が「優勝候補のひとつ」と語っていたリヨンが、ローマの本拠地オリンピコで行なわれた第一戦をスコアレスドローで終えながら、ホームでの第二戦を0−2で落とした様を引き合いに出し、アウェイゴールの重要性を説いた。

「ローマとの第一戦では、得点を奪うことが重要となる。スコアレスドローで第二戦を迎えるのは危険。リヨンの敗退がいい例だ。ローマで行なわれた第一戦では、リヨンが優勢だったが、結果は0−0だった。そして結局、リヨンはホームで敗れた。同じ失敗をしないためにも、アウェイゴールが必要となる」

 今シーズンのプレミアリーグでは、31試合で74得点を記録しているマンU。しかし、欧州の舞台では、決定力不足に悩まされている。その主たる原因とも言えるのが、FWウェイン・ルーニーとMFクリスチアーノ・ロナウドのパフォーマンスだ。ルーニーは2004年のフェネルバフチェ戦でハットトリックを達成して以来、欧州の舞台でゴールから遠ざかっており、ロナウドに至ってはいまだCLで得点を挙げていない。これについては、ファーガソンも首をひねるしかないようだ。

「2人がどうしてゴールを決められないのか、私には分からない。恐らく、欧州各国のチームと対戦することに慣れていない部分があるのだろう。彼らはまだ若いのだから。ただし、彼らへの信頼は変わらない。ウェインの貢献度は高いし、クリスチアーノは現時点で世界ナンバーワンの選手だと思っている」

 難敵ローマとの対戦を前に、チームの主軸に成長したルーニー&ロナウドをキーマンに挙げたファーガソン。経験豊富な老将は、準決勝進出と若手2人の覚醒を、アウェイでの大事な一戦で同時に達成したい目論見のようだ。