サンプドリアのFWファビオ・クワリアレッラ(23)が1日に行われたセリエA第30節、敵地でのキエーボ戦(1−1終了)で観衆の度肝を抜く超ロングシュートを決めた。0−0で迎えた前半26分、センターサークル付近でパスを受けたクワリアレッラは胸トラップから反転し、躊躇することなく豪快に右足を振り抜いた。その距離38m。元イタリア代表FWで同僚のバッザーニ(30)が「狂っている」と評した一発は、相手GKスクイッツィ(32)の頭上を通り越しネットに突き刺さった。

突然の一発に、5765人の観客で埋まったボンテゴディ・スタジアムは一瞬の静寂後、スタンディングオベーションに包まれた。クワリアレッラの潜在能力の高さを翌日付の2大現地紙も大絶賛。ガゼッタ・デッロ・スポルト紙1面にはパノラマの映像写真が載り、コリエレ・デッロ・スポルト紙は4コマ写真で特集した。

コカイン陽性反応によりFWフラーキ(31)を出場停止で欠くサンプドリア。大黒柱の抜けた穴を補って余りある活躍を見せるクワリアレッラ。先月28日のユーロ08(オーストリア・スイス共催)予選対スコットランド戦で代表デビューを飾った新星の輝きは、間違いなく本物だった。

佐藤 貴洋