フランス・リーグ杯の決勝が3月31日、スタッド・ド・フランスで行なわれ、ボルドーがリヨンを下し、5シーズンぶり2度目の優勝を果たした。試合は終始リヨンが押し気味に展開していたが、ボルドーがよく持ちこたえた。残り時間があとわずかとなり、延長戦突入かと思われた矢先の後半44分、コーナーキックをMFエンリケが高い打点のヘディングで合わせ、リヨンの2冠の夢を打ち砕いた。

 リヨンのオラス会長は試合後レキップ紙に、「負けを認める。たしかにガッカリはしているが、皆さんが想像しているほど大きな失望ではない。我々はリーグ6連覇という、欧州のどのクラブもできなかった偉業を達成しようとしている。壊滅的というわけじゃない。ボルドーを祝福したい」と語った。

 一方のウリエ監督は「ボルドーは信じられない試合をした。多くのチャンスも作ったし、ミスもなかった」と答えたが、その調子には皮肉が含まれている。「普段は相手を称えるが、今晩はしない。リヨンにとって決勝にふさわしい見事な試合だったが、相手にとっては必ずしもそうじゃなかった」と本音を付け加えた。

 リヨンの主将ジュニーニョは「いいプレーをするだけじゃ足りない。勝たなきゃいけない。ボルドーはたった2度のチャンスのうち、1つをモノにした」ともっと直裁に語った。マルダも「とても落胆している。我々には少しリズムが欠けていた。ボルドーはディフェンシブな自分たちのスタイルを守り、それが勝利に値した。負けを認めてボルドーの勝利を称えなければならない」と話し、優位に試合をすすめながら敗れた悔しさを何とかこらえようとしている様子が窺える。

 シーズン前半は圧倒的な強さを誇ったリヨン。当初は4冠も夢ではないなどと騒がれたが、シーズン終盤に入って、現実の厳しさを噛みしめている。いよいよ残る栄冠はリーグ6連覇のみ。第30節は未消化ながら2位に16ポイントの差をつけており、前半の貯金がだいぶ残っている。この敗戦で、ようやく「常勝」のプレシャーから解放されたところもある。試合後、スキラッチなど一部のリヨンの選手は、シャンゼリゼのクラブで開かれたボルドーの祝勝会に足を運んだ。相手の勝利を潔く認め、気分を切り替えて残るリーグ戦に集中しようという気持ちの表れかも知れない。