28日にスタッド・ド・フランス(パリ郊外サンドニ市)で行なわれたオーストリアとの親善試合に、フランスが1-0で勝利した。

 ユーロ2008予選のリトアニア戦から4日後、ドメネク監督は、同じB組で予選突破を争うイタリアとスコットランドが対戦するのと同じ日に、本大会の開催国であるオーストリア(スイスと共催)を相手に選び、プレッシャーの少ない親善試合で若手を試した。

 監督のみならずフランス全体の期待に応え、唯一の得点は、ナスリ(マルセイユ)とベンゼマ(リヨン)の初出場コンビが決めた。4-3-1-2の新システムで司令塔を務めたナスリのフリーキックを、後半から出場したベンゼマが右足で合わせた。

 後半25分で交代するとき観客からスタンディング・オベーションを受けたナスリは試合後、テレビのインタビューに「僕がいいゲームをできたのも、最良のコンディションを用意してくれた監督とチームメイトのおかげ。観客の歓迎もとてもうれしい」とデビュー戦の喜びを語った。ベンゼマも「自分の得点でチームを勝たせることができて最高にうれしい。試合はあっという間だったが、いい手応えがあった」と笑顔で話した。

 代表デビューをアシストとゴールで飾った2人はともに19歳。この試合のキャプテンを務め、代表キャップ128試合というフランス代表の自己記録を更新したテュラムが初出場した1994年8月には、ナスリが7歳、ベンゼマは6歳だった。「98年組」のメンバーがテュラム1人になった今回、W杯優勝の舞台となったスタッド・ド・フランスは、新たな時代の到来の予感に湧いた。