XFN―ASIAによると、タイのプリディヤトーン・テワクン財務相は、米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」（電子版）とのインタビューの中で、中国政府が人民元の対ドル相場の上昇を容認すれば、バーツへの投機圧力が低下するとの見解を示した。財務相はバーツ以外の通貨に同様の問題が発生する危険性を指摘した上で、人民元高・ドル安が進めば、タイなど比較的柔軟な外国為替制度を持つ近隣諸国の通貨が、米国が抱える巨額の貿易赤字や財政赤字の解消につながるドル安（ドル売り）に利用されなくなるとしている。

　　プリディヤトーン財務相は「（中国が元切り上げに踏み切れば）バーツ投機の抑止に大いに効力を発揮するだろう。ただし、効果の程度は変動幅の大きさにも左右される面もある」とも指摘。タイでは先週18日にバーツ投機規制を発表したが、その直前、バーツは年初から17％も高い1ドル＝35.06バーツと9年半ぶりの高値水準に達していた。発表後、株式市場の急落を受けて、株式投資については19日から規制の対象外とされたが、債券やCP（コマーシャルペーパー）への規制は継続している。

　　タイ中央銀行のタリサ・ワタナケート総裁は26日、外国人投資家に投機を目的とする2万ドル（約240万円）以上のバーツ買いで、取引額の30％を中銀に最低1年間、預託する措置を義務付けるバーツ投機規制については、少なくとも3-6カ月間、継続するとの方針を示した。一方、プリディヤトーン財務相は「輸出は、経済成長と外国為替市場にとって大切な要素だ。バーツ高で輸出が悪影響を受けることは投資家も望まないだろう。当局が傍観し、バーツ高を放置すれば、タイは史上初の輸出減に直面することになりかねない」とし、中銀の規制策を支持する意向を明らかにしている。【了】

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